【徳島】「どちらが勝ってもおかしくない」しぶとく勝ち切った東京V戦でスペイン人指揮官が挙げる勝負の分かれ目とは

2020年11月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

指揮官の采配も冴え渡っていた

選手たちを称えるリカルド・ロドリゲス監督。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部)

[J2リーグ32節]東京V1-2徳島/11月7日(土)/味スタ

 ボールを保持しながら攻撃を作り出すことを志向している両チームが存分に持ち味を見せた試合だった。

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 2-1と勝利し、今季3度目の3連勝を飾った徳島ヴォルティスのリカルド・ロドリゲス監督は試合後にこう振り返った。

「いつも話している通り今日も簡単な試合ではなかった。1点を取った後は、上手く握る時間も増えて、どちらかというと、相手が1点目を獲るよりも我々が2点目を獲るほうが近いと思っていました。ただ、ボールロストから相手にカウンターで持っていかれて、同点になってしまった。前半の最後から後半にかけては相手にもチャンスが多くなってきていて、正直どちらに転ぶか分からない試合のなかで、選手たちもしっかりと戦ってくれた」

"どちらが勝ってもおかしくない"拮抗した試合で勝負を分けたのは何だったのか。

「両チームとも前から行ってひっかけて点を取りたい、そのなかで自分たちの特長を出していきたいというのがあったと思う。これに関してはどちらが勝負を分けたかということではなく、ディテールのところで我々の方に転がってきたという感じです。彼ら(東京V)がそうではないという事ではないですが、強いて言うなら我々が全員で戦った結果最後の最後でもぎ取った勝点3だったと思います」という。
 
 選手の頑張りもさることながら、就任4年目を迎えたスペイン出身の指揮官の手腕も冴え渡っていた。

「正直なところ我々にとっては違いはない。相手によって3枚、4枚と使い分けている」と語るものの、相手のかみ合わせもあって採用した3バックがハマり前半は圧倒的にペースを掴む。さらにシャドーの位置で先発起用した清武功暉が先制点を挙げると、苦しい時間に投入した小西雄大が決勝弾をお膳立て。「まさに得点に繋がったシーンを想定していた。中、長距離のパスで相手の裏を突いて欲しいという狙いだった」という采配がズバリ的中した。

 ザスパクサツ群馬戦での2点ビハインドからの逆転劇。ジュビロ磐田に追いつかれながらも突き放し、この日も苦しい展開でもしっかりと勝点3を獲得。今後も中3日での栃木SC戦、モンテディオ山形戦と続いていくなかで、しぶとく勝ち切り首位をキープしている。

 リカルド・ロドリゲス監督は「中2日が連続するような展開で、完璧じゃないながらも良い試合をしてくれた」と勝負強さを身につけたチームを称賛した。

 昨季はプレーオフで念願のJ1昇格を掴み損ねた徳島が、ラスト10試合となった終盤戦で最良のスタートを切ったようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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