「ビッグアワーが迫っている」ブレーメンが今、大迫勇也を絶対に手放せないワケ

2020年11月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

チームでの需要が高まっている

サポーターから批判の声が上がり、直近2試合でもベンチスタートが続いていた大迫。だが、チームでは再び待望論が浮上する状況に。(C)Getty Images

 ヨーロッパでの代表ウィークにあたる11月第2週から3週にかけて、日本代表は13日にパナマ代表、17日にメキシコ代表との国際親善試合を行なう。だが、その招集リストに大迫勇也の名前はなかった。

 日本代表メンバー発表の場でも同様の説明があったが、所属クラブのあるブレーメン州は当局の方針に従い、国外への渡航者が帰国した場合、5日間の待機・自主隔離を規定している。10月に行なわれたオランダ遠征の際、大迫はリーグ戦への影響を鑑み、チームの方針を受けてカメルーン戦のみの参加となっていた。

 しかし、ここ最近はヨーロッパで新型コロナウイルス感染が再拡大しており、ドイツでも再びロックダウンに踏み切った。また、ブレーメンは国際サッカー連盟(FIFA)の改正した規定に基づいて、国外でプレーする代表の試合に関しては、選手の派遣を拒否する方針を決定したと現地メディアが報じている。
 
 だが、ブレーメンが大迫を手放せない背景には、クラブの台所事情も大きく関与していると言えるだろう。ワントップで先発起用され続けていたニクラス・フュルクルクがふくらはぎの筋肉のトラブルで長期離脱が決定し、好調だったダイビー・セルケも負傷。前線の駒が不足するなかで、代役として大迫の名前が挙がっているからだ。

 大迫は今シーズン4試合出場で0ゴールと決して調子が良いとは言えない状況だ。開幕節のヘルタ・ベルリン戦では交代の際に一部のサポーターから「交代を支持する拍手」が送られ、その行為に対して同僚選手やフロントが批判するなどの事態に発展。ちなみに日本代表活動後に行なわれた2試合ではいずれも先発から外れ、ベンチスタートとなっている。

 現地紙『Bild』は、「昨シーズン降格回避の立役者として素晴らしい活躍をしたプレーヤーは、今はサポーターから批判を浴び、なんとも不調。オオサコほど苦労している選手はいない」としながらも、「ビッグアワーが迫っている。再びチームの救世主になるチャンス到来だ」と指摘している。

 今後は11月6日にケルン戦、代表ウィーク明けの21日にはバイエルンと対戦する。果たして、大迫は所属チームで巡ってくるであろうチャンスを、掴むことができるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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