【セルジオ越後の天国と地獄】次は厳しい選手選考をお願いしたい

2015年03月19日 サッカーダイジェスト編集部

新監督のカラーが見えるのは6月の予選からだろう。

来日わずか1週間でカラーを打ち出せないのは仕方ないが、あえて発表したバックアップメンバーの位置付けは理解できない。写真:菅原達郎(サッカーダイジェスト写真部)

 ハリルホジッチ新監督の初陣となる3月27日のチュニジア戦、31日のウズベキスタン戦に臨む日本代表メンバーが発表されたね。
 
 2試合しか組まれていないのに31人のメンバーと12人のバックアップメンバー、計43名の名前が読み上げられたのには驚かされたけど、顔ぶれは予想どおり。1月のアジアカップや昨年のブラジル・ワールドカップに出場したメンバーが中心だった。

【日本代表】ハリルホジッチ新体制初招集メンバー[MF&FW]|3.27チュニジア戦&3.31ウズベキスタン戦

【日本代表】ハリルホジッチ新体制初招集メンバー[GK&DF]|3.27チュニジア戦&3.31ウズベキスタン戦

 ハリルホジッチ監督が来日してから、わずか1週間しか経っていない。その間、視察できたのは、わずか2試合だったわけだから、日本協会の技術委員会が作成したリストをベースに、自分が見た2試合で気に入った選手――永井やバックアップメンバーの川又、米本、谷口、車屋がそれだろう――を加えたということだろう。
 
 アギーレ監督の初陣もドタバタだったけど、今回はさらに時間がないから、この2試合は強化というより、ハリルホジッチ監督と選手たちの「顔合わせ」という意味合いが強い。
 
 それは、怪我で試合に出られないことが分かっている内田、長友、今野らを招集したことからもうかがえる。まずは顔を合わせ、コミュニケーションを取ることがなににも増して重要だということだろうね。
 
 とはいえ、多くの選手に自分の考えを伝えたいという気持ちは分からなくもないけれど、怪我している選手は治療に専念させてあげられないものだろうか。
 
 特に、シャルケの内田とインテルの長友は、試合に出場しないのに帰国することになり、負担が大きい。ミーティングや練習の様子を撮影して送るという手もあったはずで、所属クラブが帰国をよく許してくれたものだ。
 
 また、「バックアップメンバー」の位置付けが理解できない。別に30人でも、40人でも全員が日本代表でもいいんじゃないかな。
 
 そのバックアップメンバーに、フロンターレの大卒ルーキーである車屋が選ばれている。彼は視察した数少ない試合のなかでハリルホジッチ監督が興味を持った選手ということだろうけど、シーズンが開幕したばかりの時期にあえてルーキーを呼ぶわけだから、長い目でしっかり見てあげてほしいものだ。
 
 くれぐれも、アギーレ監督の時の初陣に招集された皆川や坂井のように、「呼びました、ダメでした、もう呼びません」というような扱いはしないであげてほしいね。
 
 今回は、ハリルホジッチ監督独自のカラーに基づいた選手選考ではなかったけれど、何度も言うように、時間がなかったのだから、仕方がない。
 
 本当に彼のカラーが見えるのは次の機会、6月のワールドカップ予選からだろう。その時は、今回のメンバーから削って23人にするというのではなく、自分の目で一から選手を選んでほしい。

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