なぜ浦和は3連敗から息を吹き返したのか? 主将・西川周作が施した“秘策”とは――

2020年11月02日 佐藤亮太

好調のキッカケになったのが選手間ミーティングだった

勝ったタイミングで改めてチームを振り返るミーティングを開催した西川。(C)SOCCER DIGEST

 遅ればせながら浦和レッズが息を吹き返した。

 横浜FC、FC東京、名古屋グランパスに3連敗した後の5試合の戦績は3勝2分。11得点2失点と攻守に安定している。

 内容と結果が伴うようになるなか、前節の大分トリニータ戦では主導権を握られながらも堅守が光って0-0で引き分けた。

 現在、勝点「41」の暫定9位。今季の目標であるACL出場権獲得にむけ、いまチームは一丸となっている。

 浦和復調の要因はいくつかある。ひとつは大槻毅監督の粘り腰。チームの成績に左右されず、繰り返し選手に戦術を伝え続け、ブレずに積み上げたことが生きている。その効果か、戦術と個人能力がマッチしてMF汰木康也、MFマルティノスの両翼が躍動する回数が増えている。

 その好調のキッカケになったのが選手間ミーティングだ。

 10月15日のオンライン会見で槙野智章は、「チームが前に進んでいる感触がありながら、敗戦が続くなか、いま思っていること、個人個人、どう考えてやらなければならないのか、正直に話し合った」と明かした。
 
 約1時間行われたそのミーティングでは、ベテラン・中堅・外国籍選手が発言するなか、槙野は優勝や残留争い、そして来季の契約で気持ちが揺れる10月、11月を戦ううえで、大事なのは試合に出ていない選手たちのサポートにあると強調した。

 これは槙野自身、2018年ワールドカップ・ロシア大会での経験に加え、今季序盤、出場はおろかメンバー外になった際の、自身の正しい振る舞いがより説得力が増したといえよう。

 意外だったのがミーティングの開催時期だ。

 3連敗目を喫した20節の名古屋戦は10月4日(日)。次節のサガン鳥栖戦が10月10日(土)と時間があり、選手ミーティングには絶好のタイミングのはず。しかし槙野は開かれた時期を1-0で勝った鳥栖戦の後だと語った。次の柏レイソル戦が10月14日と中3日しかないことを踏まえれば、なぜ、このタイミングだったのか?

 槙野によれば、開催時期の判断は主将・西川周作が決めたという。

「(西川の)冷静かつ経験ある判断」と評した槙野は、「連敗のとき、ミーティングをするとポジティブな方向にしたいがためにどうしてもネガティブな発言が出てしまう傾向が経験上あった。勝ったときのほうが本音は出るもの」と振り返った。
 

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