【柏】「内容は良くなかった」。それでもネルシーニョ監督が見出した、清水戦でのポジティブな要素

2020年10月31日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「結果は受け止めて、今日の一番の成果は…」

柏のネルシーニョ監督が、清水戦を振り返った。(C)SOCCER DIGEST

「今日のゲームはあまり内容が良くなかった。特に前半ですね。相手のペースにのまれ、非常に攻撃を急ぎ過ぎていた」

 スコアレスドローに終わった清水戦後、柏のネルシーニョ監督は開口一番にそう話した。確かに全体的に軽率なミスが多く、前半は防戦一方の展開だった。もっとも、「我々は、これまで相当タイトなスケジュールで連戦をこなしています。それに対して相手の清水は前節から時間が空いた」とも言うとおり、コンディションに差があった一因もある。実際、清水の金井貢史も「僕たちはレイソルさんと違って、準備する期間が長かった」と述べていて、前節から柏が中2日、清水が約2週間も空いた日程の差はゲームに影響した。

 ネルシーニョ監督は、連戦による疲労を考慮してオルンガをベンチから外し、さらにハーフタイムで交代した江坂任、大谷秀和、山下達也も「ゲームの前から我々のプランとして予定していた」と明かした。過密日程が采配にも影響していたことが窺える。いくつかのエクスキューズがあって指揮官は「引き分けは妥当な結果」と認めつつ、清水戦でのポジティブな要素を見出していた。

「結果は受け止めて、今日の一番の成果は、これまで試合に出場していなかった選手たちが入って、こちららが求めたことをやってくれたことだと思います」
 例えば60分から途中出場した瀬川祐輔は負傷から復帰し、8月19日の神戸戦以来、久しぶりに実戦でプレーした。約1か月ぶりにスタメン出場した呉屋大翔は「怪我から復帰して、ようやくゲームに絡める状態に戻ってきた」(ネルシーニョ監督)。3日前のFC東京戦で戦列に戻った染谷悠太も、後半開始から出場してコンディションの回復ぶりが垣間見えた。

 FC東京とのルヴァンカップ決勝を1週間後に控えるタイミングで、怪我人が続々と復帰してコンディションを上げているのは、確かにネルシーニョ監督が言うとおり朗報だ。裏への抜け出しが上手い呉屋や瀬川は十分に切り札になれるし、染谷の復帰でCBの駒数が増えれば、リードしている試合途中に5バックへ移行することも可能だろう。明らかに戦術の幅は広がった。

 タイトルがかかるルヴァンカップ決勝に向けて追い風は吹いている。あとは、大一番に弾みをつけるためにも、11月3日に行なわれるJ1・26節の仙台戦(アウェー)で、"良いゲーム内容で"勝てれば理想的だ。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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