中島翔哉はなぜ“復活”できたのか? ポルト監督がその理由を語る「選手にとっての特効薬は…」

2020年10月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

現地メディアも「ナカジマに笑顔が戻った」と報じる

マンチェスター・シティ戦で途中出場。果敢なドリブル突破からチャンスメークする場面もあった。(C) REUTERS/AFLO

 ポルトに所属する中島翔哉について、指揮官であるセルジオ・コンセイソン監督は現在の状況を好ましく受け止めているようだ。

 ポルトガルリーグ第6節、パソス・フェレイラ戦(現地時間30日)に備えた前日会見で、指揮官は新加入のマルコ・グルイッチと中島翔哉について言及している。

 中島は今年5月に新型コロナウイルスの影響で中断していたリーグ再開の際に家族への感染を恐れてチームに合流せず、自宅でのトレーニングを続けていた。リーグ戦優勝時にも姿を見せず、この件でS・コンセイソン監督が復帰に納得していないと報じられていた。事実、「私ではなく、同僚がチームに戻そうとした」と監督自身も認めている。

 また、新シーズン開幕後も中島の負傷などの影響もあり、長く表舞台に姿を現わしていなかった。事実上の"戦力外"と報じるメディアも少なくなく、昨夏に移籍するのではないかという話まで浮上した。

 だが、結果としてクラブは辛抱強くその復調を待っていたようだ。本格的な復帰は今月に入ってからだ。10月17日に行なわれたスポルティングとのダービーマッチで約7か月ぶりにメンバー入り。チャンピオンズ・リーグのアウェーマッチにも帯同し、マンチェスター・シティとの第1節では途中出場で本格復帰への第一歩を踏み出した。
 
 そして24日に行なわれたジウ・ヴィセンテとの一戦で今シーズン初先発を飾ると、決勝点となるアシストを記録。先日行われたCL第2節のオリンピアコス戦では1点をリードした60分からピッチに登場し、2点目に繋がるキーパスでチームの勝利に貢献した。

 この様子に、現地メディア『NOTICIAS AO MINUTO』は「ナカジマに笑顔が戻った」と伝え、「ポルトでの彼の第2の人生は、今始まったばかりだ」とその復帰を称えている。

 また、S・コンセイソン監督もこの活躍ぶりに「ようやくほかのメンバーと肩を並べた」と認めたという。現地紙『A BOLA』が伝えた。

「テクニカルチームとメディカルチームが、すべての選手を最高の形でサポートしている。心理面や感情面は、プレーヤーとして非常に重要だからだ。だが、そうした理論上の話は置いておいても、選手にとって最高の特効薬は、実際に試合に参加すること、チームの役に立つこと、そしてやる気に満ちていることだ。これが今、すべてが揃ってナカジマに起こっている。チームのメンバー全員が助け合い、高いモチベーションを維持することができている」

 一度失った信頼を取り戻しつつある背番号10は、このまま確かな信頼を勝ち得るだろうか。30日のパソス・フェレイラ戦の後、ポルトは11月3日にCL第3節で酒井宏樹、長友佑都を擁するマルセイユと対戦する。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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