【千葉】仕切り直しで浮上のキッカケを掴めるか。首位の福岡戦で見せたいユンスタイルの“真価”

2020年10月24日 本田健介(サッカーダイジェスト)

金沢戦では6戦ぶりの勝利

ここ3試合は1勝2分で、失点はゼロ。ここから調子を上げられるか。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J2第28節]千葉2-0金沢/10月21日/フクアリ

 10月21日に行なわれた28節の金沢戦で6試合ぶりの勝利を掴んだ千葉。ホームでの勝利は8試合ぶりで「久ぶりにホームで勝利できました。本当にタイトな日程のなかで選手たちは守備の意識を高く戦ってくれました」と、ユン・ジョンファン監督の表情にも安堵の色が窺えた。

 ここまでの成績は10勝5分13敗の16位。今季はユン・ジョンファン監督を招聘し、J1復帰を目指したが、新型コロナウイルスによる異例なシーズンに「想像以上のアクシデントもあった」と指揮官が語るように、怪我人や、過密日程によるターンオーバーの活用によって戦術の浸透が遅れるなど、予想外の苦戦を強いられている。

 堅守速攻がベースのチームにとって、25節のホーム・水戸戦では1-5の大敗を喫するショッキングな出来事もあった。それでも水戸戦後には、キャプテンの熊谷アンドリューを中心にミーティングを行ない、改めて仕切り直しを図ったという。

 すると"身体を張り、しっかり耐える守備"を再度、徹底したチームは、26節のアウェー大宮戦、27節のホーム町田戦で、ともにスコアレスドローながら、無失点で勝点1を手にし、前述の金沢戦ではクリーンシートで勝利。徐々にではあるが、本来の"ユンスタイル"を取り戻しつつあるように感じる。
 
 もっともユン・ジョンファン監督も試合後に強調したのは「続けていくことが大事だと思います」という言葉。今後も手堅く勝点を稼いでいけるか。

 金沢戦では敵将の柳下正明監督が「普段どおりにやれていない選手が多かった。正直残念でした」と振り返ったように、相手のパフォーマンスが拙かった部分もある。

 だからこそ10月25日に迎えるアウェーでの・福岡戦が大きな分岐点になるようにも映る。福岡は28節の町田戦こそスコアレスドローに終わったが、それまで破竹の12連勝と絶好調で首位を走る相手だ。その勢いに飲み込まれるか、それとも自分たちのスタイルを貫き、続けて勝点を手にできるのか。今後の流れにも大きく影響しそうな一戦は、千葉にとって重要なゲームになる。

 果たして指揮官の言葉通り"続けていくこと"ができるか、要注目だ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

【J2第28節PHOTO】千葉2-0金沢|山下の豪快ダイビングヘッド&高橋の今季初ゴールで千葉が6試合ぶりの勝利!
 
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