【指揮官コラム】チェンマイFC監督 三浦泰年の『情熱地泰』|タイ代表へのリスペクト

2015年03月17日 サッカーダイジェスト編集部

タイでは代表戦の際に全リーグ戦が一時中断。

5節を終えて1勝3分1敗の12位につけるチェンマイFC。リーグ戦は3週間のインターバルを経て、4月4日に再開する。

 タイリーグ・ディヴィジョン1(2部)は先週の水曜(3月11日)に5節が終了して、我がチェンマイFCは1勝3分1敗の勝点6、12位という位置につけている。
 
 5節のPTTラヨン戦は、結局二度のリードを守りきれず引き分けとなった。前半に先制して追いつかれ、セットプレーから再びリードを奪ったものの、相手のブラジル人選手にFKを直接決められてしまった。
 
 PTTラヨンはしっかりとお金をかけて選手を揃え、環境を整えているチームで、石油会社が親企業だ。バックに大きな資金源があるだけに、タイではディヴィジョン1にいてはいけないチームだと言われている。
 
 雰囲気のある素晴らしいスタジアムでのアウェーゲームで難しい状況ではあったが、そこでモチベーションが上がらないわけがない。内容的にも、勝点3を獲れる可能性は十分にあっただけに惜しい試合となってしまった。
 
 そして、この5節を終えてタイリーグは、3週間のインターバルに入る。4月4日に再開されるが、現状から上位を窺うためにも、ここが大事な二度目の開幕になると感じている。
 
 この3週間と少し長めのインターバルに入るのは、タイ代表の国際試合が行なわれるためだ。Jリーグでは、代表チームの試合があってもJ2以下のリーグはストップしないが、タイでは全カテゴリーのリーグ戦が代表チームのために中断する。
 
 しかも、リーグが開幕してまだ5試合という時期にこれほど長い中断を入れるのは、日本ならかなり異例なことのように思う。しかし僕個人としては、これは代表チームへの良い「リスペクト」だと感じている。
 
 もちろん、日本が下位カテゴリーをストップしないのには、タイとは異なるリスペクトすべき存在や事情(スポンサー? 運営カレンダー? サポーター? はっきりとは分からないが)がそれなりにあるからだろう。
 
 タイにおいても純粋に国内全体で代表を応援していくという意味のもとで、全カテゴリーを中断するのかは定かではないが、少なくとも国全体で代表戦に注目するのは悪いことではないし、下位のカテゴリーにとっても代表戦の陰でひっそりとやるよりはいいことではないのか。日本にはなくてタイにあるもの(習慣)という意味でも、僕はこの少し長めのインターバルを「リスペクト」したいと思うのだ。

次ページ「リスペクト」と言わない時にこそ、「リスペクト」の精神は宿る。

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