【横浜】勝ち切った名古屋戦で上々の“リスタート”。ここから巻き返せるか

2020年10月22日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

“F・マリノスらしい”サッカーで勝点3を掴み取る

選手層の厚みを見せつけて勝点3を掴んだ名古屋戦。この勝利をきっかけに怒涛の巻き返しを見せたい。(C)SOCCER DIGEST

[J1第33節]横浜2-1名古屋/10月22日/日産ス

 上々の"リスタート"だった。

 昨季のリーグ王者横浜は前節、C大阪に1-4と大敗し、今季は首位を独走する川崎が名古屋に3-0と完勝。この結果、川崎との勝点差がさらに開き、連覇の可能性は消滅した。

 そうして迎えた今節のホーム名古屋戦だった。ひとつのミッションを果たせなかったが、まだシーズンは終わっていない。11月に再開されるACLに向けて弾みをつけるべく、また来季のACL出場権獲得のためにも、是が非でも勝利が欲しかった。気持ちを切り替えて、再出発を図らなければならない。

 試合は、41分にエジガル・ジュニオのゴールで先制し、69分に元チームメイトのマテウスに同点弾を決められるも、80分に渡辺皓太がチーム2点目をゲット。これが決勝点となり、3試合ぶりの白星を収めた。

 アンジェ・ポステコグルー監督は、前節からスタメンを8人入れ替えた。スコアラーのE・ジュニオや渡辺を含め、プレータイムは1000分に満たない選手たちが先発の半数以上を占めた。

 それでも、ポゼッション率ほか、シュート数、パス成功率、クロス数などで相手を上回り、ゲームを支配。自慢の『アタッキング・フットボール』を存分に見せつけて、勝点3を掴み取った。

 指揮官は「システムは関係ない」と繰り返すが、今季は3バックを試すなど、慣れ親しんだ4-3-3とは異なる形、戦い方を選択するゲームもあったなかで、今節は4-3-3を採用。「本来のF・マリノスのサッカーに戻した形になりましたけど」と振り返るルーキーの松田詠太郎は、「いつもやっていたことを継続しながら、F・マリノスのサッカーを見せることを意識して、みんなプレーしていました」と続ける。

 誰が出ても、同じサッカーができる。その選手層の厚みは、本来であればリーグとアジアでの2冠のために準備されたものだったが、残念ながらその強みを活かすことはできなくなってしまった。
 
 過密スケジュールと少なくない怪我人に悩まされて、総合力を発揮し切れなかった部分はある。チャンピオンチームということで、マークされて厳しい戦いも強いられた。とはいえ、ローテーションが組まれるなかで出場機会を得て、実戦を通じて着実に力を付けていった選手たちがいる。

 底力を発揮するのは、今からでも遅くない。力強く勝ち切った名古屋戦の内容を受けて、レギュラー組が触発されて競争力がさらに高まれば、自ずとチーム力も上がっていく。

 リーグ戦は残り7試合。2位に食い込めば天皇杯もある。ACLも控えている。連覇が潰えても、下を向いている場合ではない。むしろ、ガムシャラに勝利を求めるしかない。ここから巻き返せるか。意地を見せたい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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