イタリア人の若いタレントを中心に、指揮官はエンポリのサッリ――ミラン 来シーズンの構想

2015年03月16日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

共同オーナーが現われれば大物監督の招聘も。

ミランは来シーズン、育成の手腕に定評のあるこのサッリ監督を迎え、イタリア人の若手中心のチーム作りを構想しているようだ。 (C) Getty Images

 ミランは来シーズンの監督候補一番手として、エンポリのマウリツィオ・サッリに照準を合わせている。すべては2月15日にサン・シーロで行なわれたミラン対エンポリ戦。対戦相手の戦いぶりにオーナーのシルビオ・ベルルスコーニが衝撃を受け、その指示を受けたアドリアーノ・ガッリアーニ副会長が、非公式な形で打診に動いている。
 
 ミランは来シーズンに向けて明確なプロジェクトを持っている。イタリア人の若いタレントを中心にチームを構築するというその構想の実現に、育成で定評があるエンポリの指揮官は打ってつけだ。
 
 補強リストにもすでに具体的な名前が上がっている。MFダニエレ・バゼッリ(アタランタ)、MFアンドレア・ベルトラッチ(ジェノア)、MFミルコ・ヴァルディフィオーリ、DFマリオ・ルイ、FWシモーネ・ヴェルティ(いずれもエンポリ)、そしてMFロベルト・ソリアーノ(サンプドリア)……。
 
 ミランはエンポリとコンタクトをとってヴァルディフィオーリとマリオ・ルイ獲得について打診する見込みだが、同時にサッリ監督を招聘する可能性についても探りを入れることは間違いない。2月半ばの時点でミランの次期監督候補にはヴィンチェンツォ・モンテッラ(フィオレンティーナ)、アントニオ・コンテ(イタリア代表)、ルチアーノ・スパレッティ(元ゼニト)、チェーザレ・プランデッリ(元イタリア代表)といった大物の名前が挙がっていたが、エンポリ戦以降その序列は大きく変化している。
 
 財政上の理由から人件費を圧縮したい、イタリア人の若手を核として攻撃的なスタイルを持ったチームを構築したい、といった経営的な要請を考慮すれば、最も適任なのはサッリだという判断に傾いているのだ。
 
 とはいえ、これは現時点でベルルスコーニ、ガッリアーニ副会長が考えている構想に過ぎない。もし近い将来、ミランの株主として投資してくれる共同オーナーが現われれば、コンテ、モンテッラといった大物の招聘も現実味を帯びてくる。しかし今のところはサッリに「保険」をかけておこうというのがミランのしたたかな戦略だ。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
 
 
 
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