A代表デビューの菅原由勢が果たした、2年前の吉田麻也との約束「でも、越さなければいけない」

2020年10月10日 サッカーダイジェスト編集部

「吉田選手が与えている以上のものを自分が与えられるようになった時こそ…」

同じ名古屋U-18出身の菅原(左)と吉田(右)。カメルーン戦で共演を果たした。写真:JFA(左)、龍フェルケル(右)

 日本代表は10月9日、オランダのユトレヒトでカメルーン代表と対戦。0-0の引き分けに終わった。

 この試合で記念すべきA代表デビューを飾ったのが、オランダリーグのAZに在籍する菅原由勢だ。

 20歳の菅原がピッチに立ったのは86分。原口元気と代わって左サイドで出場すると、無事に試合を終え、無失点に貢献した。

「ずっとサッカーを始めた時からA代表のピッチに立つことを目標としてやってきました。そのなかで短い時間ではありましたけど、A代表のピッチに立つことができて、すごく嬉しかった。ここまで来ることができたなという実感と、やっとスタートラインに立ったというか。ここからまたサッカー選手としての大きなキャリアが始まると思っているので、ここからがスタートだと思っています。これまで関わってくださったみなさまに感謝の気持ちを伝えたいと思います」

 そうデビュー戦を振り返った菅原にとって、このカメルーン戦は、名古屋U-18出身の先輩でもある吉田麻也との約束を果たした試合でもあった。

 2年前、吉田がロシア・ワールドカップのメンバーに選出された際、菅原は当時所属していた名古屋U-18から贈る寄せ書きに「待っていてください」と書き記したという。

 カメルーン戦後には名古屋の公式Twitterがそのことを掲載し、吉田からは「由勢Jデビューおめでとう」とメッセージを送られていた。

 菅原自身も、先輩からのメッセージに「ありがとうございます!2年間もお待たせしてしまい、すみませんでした!」とコメントしていた。

 さらに今回の遠征がスタートした頃には、吉田から「もう来た。すぐに来ちゃったよ」というやり取りを交わしたことを明かしている。
 
 ただし菅原にとっては、ここから、この偉大なる先輩に近づけるかのチャレンジが始まったと言っていい。

「本当に吉田選手が自分のなかで大きなモチベーションというか、大きな目指すべき存在で、尊敬すべき立場でもある。でも、越さなければいけない。追いつき追い越せだと思っていて、だからこそ早く一緒のピッチに立ちたい想いがありました。吉田選手は(A代表キャップ)100試合出場していますけど、自分が100試合出場することもそうですし、日本代表にとって、今吉田選手が与えている以上のものを自分が与えられるようになった時にこそ、吉田選手と比べてどうだったかというのが分かると思う」

 だからこそ「僕自身この年齢で参加できているので、いろんなものを見たり聞いたり、肌で感じたりして勉強することもそう」だが、それだけにとどまらない。

「初招集だからと言って、そればかりでなく、日本代表のひとりとして勝利に対して貢献しなきゃいけないし、ハードワークするところを見せていかなきゃいけないと思う。勉強するところと自分がしっかりプレーで示さなきゃいけないところがあると思うので、そういう考えを持ちながら、常に臨んでいます」

 いつか偉大なる先輩を越えられるように――。菅原の大きなチャレンジはまだ始まったばかりだ。

構成●サッカーダイジェスト編集部
 

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