「日本人への扱いが理解不能!」香川真司と契約解除のサラゴサをスペイン紙が批判「クラブ価値の喪失を露呈した」

2020年10月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

志半ばでクラブを去ることになったサムライ戦士へ

サラゴサが香川真司との契約を解除。その判断にファンやメディアから反発の声が挙がっている。 (C)Mutsu FOTOGRAFIA

 現地時間10月2日、スペイン2部のレアル・サラゴサは、所属する香川真司との契約を双方合意の上で解除したことを発表した。

 昨夏に2年契約で加入した香川は、来年6月末まで契約が残っていたものの、スペイン2部では2人のみとなっている「EU圏外選手」の登録枠から漏れ、事実上の構想外に。退団が決定的となっていたなかで、今回の発表に至った。

 だが、志半ばでクラブを去ることになったサムライ戦士への扱いにサポーターの怒りは溜まっているようだ。スペイン紙『Marca』は、「シンジ・カガワに対するチームの決定はますます理解できないものになっている」と取り上げ、「ファンにとっては、残留するために給料の削減を快く受け入れた日本人への扱いが理解不能であり、クラブの対応に心底苛立っている」とレポートしている。

 同紙は、スペイン・サッカーに香川が適応することに苦労していたことに触れつつも、「苦難を乗り越えてから、シーズン終盤には最も優れた選手になった」と言及。さらに「この日本人は街と市民の愛情に満足しており、恩返ししたいと考えていた」と綴った。
 
「昨夏から給与が減るリーグのカテゴリーを下げてでもサラゴサでプレーすることを決意したこと、パンデミックの時には、アンデル・エレーラ(スペイン代表MF)と協力して都市を助けるための寄付キャンペーンを行ったこと、そして常に非の打ち所のないプロフェッショナルであったことから、アラゴンのクラブが彼に与えた待遇は、決して褒められたものではない」

 ピッチ内外でクラブを支える存在になりつつあった香川を切ったサラゴサ。その決断に対して、『Marca』は辛辣に締めている。

「サラゴサの問題は、世界的に名を馳せた選手と心中する覚悟を示せなかったということだ。失望が失望を生む悪循環は、クラブ価値の喪失を露呈することになった」

 アラゴンでの冒険は、苦々しい形で終わった香川。ラ・リーガ2部のログロニェス、ラージョ・バジェカーノ、サバデルなどが候補とされている新天地で、再び輝きを取り戻せるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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