4ー3ー3の導入で久保建英の立場はどう変わる? 指揮官が語った「左サイドでもプレーできるように」の意味

2020年10月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

バルサ戦の大量失点でシステム変更を決断

開幕4試合はいずれも途中出場の久保。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

 現地時間9月30日に開催されたラ・リーガ第4節で、久保建英が所属するビジャレアルは、アラベスをホームに迎え、3-1で勝利した。

 この試合でウナイ・エメリ監督は、これまでの4-4-2ではなく、スタートから4-3-3を採用した。

 その3日前に行なわれたバルセロナ戦で、ビジャレアルは0-4の大敗。とりわけ4点を叩き込まれた前半は中盤が間延びし、バルサにいいようにやられた。そこで、後半から4-3-3へ変更。ビセンテ・イボーラをアンカーに置いたことで、ようやくバランスを取り戻した。その時のいいイメージがあったのだろう。

 そして、このアラベス戦でも3枚の中盤が機能し、攻守のバランスは上々だった。元々、相手や状況に合わせて複数のシステムを操るエメリ監督だが、この4-3-3を今後の基本システムにする可能性もある。
 
 気になるのが、そうなった場合の久保の立場だ。単純に4-4-2では2トップ+サイドハーフとアタッカーが4枚出場できるが、4-3-3では3トップのみ。ひとつ枠が少なくなることになる。

 実際、アラベス戦では、エースのジェラール・モレーノがCFから右ウイングに回ったことで、これまで右サイドのスタメンを張ってきた久保のライバルでもあるサミュエル・チュクウェゼがベンチに弾き出されている。

 従って、右ウイングの序列では、現状ではジェラール、チュクウェゼに次ぐ3番手ということになってしまう。左ウイングではモイ・ゴメスに次ぐ2番手だ。アラベス戦でも、インサイドハーフのマヌ・トリゲロスと代わり、左サイドに入っている(モイ・ゴメスがインサイドハーフに移行)。

 問題は、この左サイドだと、カットインからの左足のシュートやパスという久保の最大の武器が使えず、右に比べてプレーが窮屈になってしまう点だ。事実、開幕3試合は短い時間でも爪痕を残してきた19歳が、このアラベス戦では見せ場を作れなかった。もちろんインサイドハーフでもプレーも可能だが、現状では指揮官はあくまでアタッカーと捉えているようだ。

 得意の右サイドはライバルが多く、出場しやすい左ウイングではプレシーズンマッチも含めてここまで結果を残せていない。エメリ監督がアラベス戦後に「クボは左サイドでもプレーできるように成長しなければならない」と語ったのは、今後も左での起用を考えているからだろう。

 バルサ戦後、ツイッター上では「なぜ久保をもっと起用しないのか」と"スタメン待望論"が巻き起った。だが、4-3-3が主流となれば、これまで以上に厳しい状況に追い込まれる可能性もある。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 

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