「どうかしてるぜ!」元フランス代表DFがFFF会長を糾弾! レ・ブルーでの人種差別の実情を激白

2020年09月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

ル・グラエ会長の発言に怒り

かつてマンチェスター・ユナイテッドでも活躍したエブラ(真ん中)は、フランス・サッカー界での悪しき問題を、実体験を交えながら告白した。 (C) Getty Images

 衝撃的な告白だ。

 現地時間9月29日に、元フランス代表DFのパトリス・エブラは、フランス・サッカー連盟(FFF)のノエル・ル・グラエ会長を自身のインスタグラムで痛烈に批判。代表チーム内における人種差別の実態を明かした。

 事の発端となったのは、ル・グラエ会長のコメントだ。今月13日に行なわれたマルセイユ対パリ・サンジェルマンの一戦で、ブラジル代表FWのネイマールが人種差別的な発言を相手DFアルバロ・ゴンサレスから受けたと訴えたことが問題視されている件について、フランスのビジネス専門局『BFM Business』のインタビューに次のような見解を示したのだ。

「黒人選手がゴールを決めれば、スタジアム全体が沸き返る。フランスのスポーツ界、とりわけサッカー界には人種差別はほとんど存在しないと言っていいだろう。問題の試合における選手たちの振る舞いは模範的ではなかったが、ある程度の騒動はフランス全土が予想していたはずだ」

 このル・グラエ会長のコメントにエブラは怒ったのだ。かつて2度のワールドカップ出場を経験した名手は、「会長、あなたにしっかりと返信をしなければならない」と語り、代表チーム内における人種差別を告白した。

「クレールフォンテーヌ(フランス代表の練習施設)で何が起きていたかを話す義務がある。人種差別的な手紙を俺はいくつ受け取ったと思ってるんだ? 『一体どれだけのサルをアフリカに連れていくんだ?』なんてメッセージを受け取った時もあったが、会長たちはそのことを隠した。こっちはクソがたっぷり詰まった箱が送られてきたのに、だ!」
 
「どうかしてるぜ!」と呆れかえりながら証言を続けたエブラは、フランス大統領との会食時におけるエピソードを続けた。

「俺たちには食事をする席がいつも割り当てられていた。けど、大統領や政治家が来るときだけは席が移された。突然、食堂の隅っこに追いやられたんだよ。サコやサーニャと一緒に代えられたんだ。

 そして大統領の横にはロリスやコシエルニーのような選手が座っていた。写真を撮る時に見栄えが良いというのがあったんだろう。暗黙の了解だというのはすぐにわかった。ル・グラエ会長の言っていることは本当にめちゃくちゃだ。僕らは彼を解雇しなければいけないよ」

 約8分間に渡って、代表チームの実情を赤裸々に明かし、ル・グラエ会長の発言を糾弾したエブラ。その告白は大きな波紋を広げそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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