「まだ違和感はあるが…」
アンカーとして力強いプレーを見せた山口⑥。まずまずの復帰戦となった。(C) SOCCER DIGEST
1年でのJ1復帰を目指すC大阪は開幕戦で東京Vと1-1で引き分けた。相手の素早いプレッシャーに苦しみ、満足できる結果ではなかったが、シーズン初戦でフォルランにゴールが生まれるなど収穫は少なくなかった。なかでも、右膝半月板を損傷し、昨年9月に手術に踏み切った山口が211日ぶりに実戦復帰を果たした点は大きい。
久々の実戦を終え、山口は
「まだ1試合終わっただけ。連戦になれば疲労が溜まってくるだろうし、(膝が)どういう反応をするか恐さがある。今どうこうとは言えない」
と前置きした上で、
「でもとりあえず90分やれて良かったかな」
とぽつりと安堵感を滲ませた。完全復活へ、わずかではあるが確かな一歩を踏み出した。
今季4-3-3を基本システムにしているC大阪のなかで、山口はアンカーのポジションに挑戦している。この日も予想通り中盤の底に入り、激しい寄せで相手からボールを奪い、復帰初戦とは思えない力強さを見せた。
ただ、本人は語る。
「完全なすっきりした膝ではない。動いていても、自分のなかでは引っ掛かるものがある。そこが完全に取れるまでにはまだ時間がかかるのかな」
ただでさえ、J1より試合数の多いJ2での戦い。そのなかで、メスを入れた膝がどういう状態になっていくのか、本人としては不安が残る。
アンカーという新たなポジションにもまだフィットできていない。チームのバランス取りが求められる位置だけに、山口の真骨頂と言える前への推進力が失われてしまう可能性もある。
「今季はダブルボランチではないので、攻撃に行く回数は減ってしまうと思う。(インサイドハーフの)前のふたり(この日は扇原貴宏、関口訓充が先発)は攻撃的なので」
ただその点は新監督のアウトゥオリ監督も理解しており、本人も前への意識を捨てているわけではない。
「前へ行きたいという想いはある。監督にもずっとそこにいろとは言われていない。チャンスがあれば出て行きたい。周りとの連係を高めれば、攻撃参加できる回数は増やせると思う」
膝の状態、新たなポジション、そしてキャプテンとして誰よりもさらされる"1年でのJ1昇格"というプレッシャー――。今季も山口には大きな壁が立ちはだかる。ただ「道のりは長い」と語ったその目には確かに力強い光が宿っていた。
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
久々の実戦を終え、山口は
「まだ1試合終わっただけ。連戦になれば疲労が溜まってくるだろうし、(膝が)どういう反応をするか恐さがある。今どうこうとは言えない」
と前置きした上で、
「でもとりあえず90分やれて良かったかな」
とぽつりと安堵感を滲ませた。完全復活へ、わずかではあるが確かな一歩を踏み出した。
今季4-3-3を基本システムにしているC大阪のなかで、山口はアンカーのポジションに挑戦している。この日も予想通り中盤の底に入り、激しい寄せで相手からボールを奪い、復帰初戦とは思えない力強さを見せた。
ただ、本人は語る。
「完全なすっきりした膝ではない。動いていても、自分のなかでは引っ掛かるものがある。そこが完全に取れるまでにはまだ時間がかかるのかな」
ただでさえ、J1より試合数の多いJ2での戦い。そのなかで、メスを入れた膝がどういう状態になっていくのか、本人としては不安が残る。
アンカーという新たなポジションにもまだフィットできていない。チームのバランス取りが求められる位置だけに、山口の真骨頂と言える前への推進力が失われてしまう可能性もある。
「今季はダブルボランチではないので、攻撃に行く回数は減ってしまうと思う。(インサイドハーフの)前のふたり(この日は扇原貴宏、関口訓充が先発)は攻撃的なので」
ただその点は新監督のアウトゥオリ監督も理解しており、本人も前への意識を捨てているわけではない。
「前へ行きたいという想いはある。監督にもずっとそこにいろとは言われていない。チャンスがあれば出て行きたい。周りとの連係を高めれば、攻撃参加できる回数は増やせると思う」
膝の状態、新たなポジション、そしてキャプテンとして誰よりもさらされる"1年でのJ1昇格"というプレッシャー――。今季も山口には大きな壁が立ちはだかる。ただ「道のりは長い」と語ったその目には確かに力強い光が宿っていた。
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)