【鹿島】連勝ストップで露呈した課題。克服には、とにかく“やり続ける”しかない

2020年09月28日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

自陣ゴール前を固めてくるチームをいかに切り崩すか

ファイナルサードをいかに攻略するか。連動したアタックの練度を上げたい。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト編集部)

「運動量や闘争心、最後まであきらめない部分を示すチームに対して、我々はてこずっているかなと。前節(湘南戦)もそうでしたし、今節もそうなったと思います」

 0-2で敗れた大分戦の試合後、ザーゴ監督はチームが直面している問題について言及した。湘南戦はアディショナルタイムのファン・アラーノの得点で辛くも1-0の勝利を収めたが、今節の大分戦は最後まで相手のゴールをこじ開けられなかった。連勝も「7」でストップした。

 湘南戦も大分戦もポゼッション率やシュート本数は相手を上回り、優位に試合を進めることができている。敵陣のゴール前まで何度もボールを運び、チャンスを作っているが、フィニッシュが思うように決まらない。

 3バックを採用し、守備時には5バック気味になる湘南や大分のように、人数を割いて自陣ゴール前を固めてくるチームをいかに切り崩すか。これまでの攻撃を一段階引き上げるような工夫やさらなる精度向上が必要だ。

 戦術の土台となるポゼッションや攻守の素早い切り替えは「みんな自然にできているというか、考えなくても身体が自然に動けてやれている印象がある」(永木亮太)。主導権を握り、ゲームをコントロールできるようにはなってきた。今度はファイナルサードの攻略に注力し、どんな相手からもゴールを奪えるようになれば理想的だ。
 
「引かれる相手に対して、トップ下の位置にいる自分とか、(和泉)竜司くん、アラーノ、(土居)聖真くんとかで、相手のディフェンスラインのひとつ前でボールをもらって、そこからまた仕掛けたりとかができれば、もっと得点につながると思う。そこでしっかりとボールを引き出して、つなげられるプレーができればいい」(荒木遼太郎)

 そうしたシチュエーションを作り出そうとする意志は見て取れる。ただ、タイミングが合わなかったり、敵DFを翻弄するようなコンビネーションは改善の余地がある。

 とにかく、やり続けるしかない。やり続けて、練度を上げて、より多くの決定機を作る。時間はかかるかもしれないが、地道な作業の積み上げで、揺るぎない強さを手に入れたい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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