【神戸】強化責任者からの異例人事…三浦淳寛氏が監督オファーを決断した理由

2020年09月25日 サッカーダイジェスト編集部

「強化責任者なので、監督を決定できる立場でもある」

新たに神戸を率いる三浦監督。スポーツダイレクターの立場からの異例の人事となった。(C)VISSEL KOBE

「みなさん、こんにちは。フィンク監督の退任を受けて、私の名前が挙がり、受諾することを決めました。自分の考えでは今までのやり方をぶれずに継続してやっていきたい。正直に言うと、突然のことだったので本当に悩みました。ただ、今やると決めたからには覚悟を持ってチームのために全力を尽くして頑張っていきたいと思います」

 ヴィッセル神戸を新たに指揮する三浦淳宏監督が9月25日、オンラインで取材に応じた。

 トルステン・フィンク監督の退任が発表された同22日から2日後の24日、三浦・新監督はチームの指導を開始。監督就任のオファーを受諾するとクラブに伝えたのは、23日の夜だった。

 三浦氏は18年2月からスポーツダイレクターを務めていた。今回の人事は、強化部門の責任者が監督になる異例の形である。

 当然、三浦氏自身にも葛藤はあったという。

「自分は強化責任者なので、監督を決定できる立場でもある。それが頭にあった。そこで自分自身が監督を引き受けることに納得できるのかと」
 
 ただ神戸はリーグ戦でなかなか勝てない時期が続き、ルヴァンカップでは準々決勝であえなく敗退。昨季の天皇杯制覇に続くタイトル獲得を目指したが、ここまで調子が上がらないシーズンを送っていた。

「ここまでの状況は正直、納得はしていない。これからリーグ戦のことはフィンク監督と話をしながら一つひとつ上っていこうと考えていたので、残念な想いがあった。結果が出ていないのは私にも責任があって、それをどう改善していくかを考えていた時の急なことだった。だから、この話を受けていいものかとも思った。他の監督を探しながら、私自身、整理するのに時間がかかりました」

 急転直下の出来事だったが、「空白の時間は作りたくないですし、いずれにせよ、このスタイルを続けられる監督を探さなければいけない。最後は自分の心と向き合いながら決断しました」と、覚悟を決めた。

 これまで監督としての実績はないが、10年シーズンをもって現役を引退したあと、15年に指導者のS級ライセンスを取得している。

「もちろん監督を将来的にやりたいという想いで取得しました。ただ、それがヴィッセルで、とは考えておらず、どこかでチャンスがあった時に、指導ができればと思っていました」

 まさに今そのチャンスが巡ってきたとも言える。新監督が目指すのは、これまでと変わらないスタイル。「ゲームを支配し、そのなかでチャンスを作る、攻撃的なポゼッションスタイル」だ。

 果たして新監督は、どんな手腕を見せるのか。

構成●サッカーダイジェスト編集部

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