「人手不足で…」ACLで前代未聞の事態! 王者アル・ヒラルが新型コロナウイルスで失格処分に「歴史的決定だ」

2020年09月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

世界に波紋を広げる王者の失格

昨年に日本で快哉を叫んでいたアル・ヒラルが思わぬ形で失格処分となった。 写真:徳原隆元

 前回王者が思わぬ形で大会から姿を消すことになった。

 現地時間9月23日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の西地区のグループBの第6節で、アル・アハリと対戦予定だったアル・ヒラルは、新型コロナウイルスの影響により11人しかメンバーを用意できず。大会規定により失格処分となった。

 西地区は、新型コロナウイルスの影響でカタールで集中的に開催されているのだが、アル・ヒラルは渡航後に15人の陽性反応が判明。20日に開催されていた第5節のシャフリ・ホドロ戦では人数が揃っていたものの、試合後にコンディション不良となった選手が急増していた。そのため、同クラブとサウジアラビア・サッカー連盟は試合の延期をアジア・サッカー連盟(AFC)に要求したが、それも受け入れられなかった。

 そして、迎えたアル・アハリ戦のアル・ヒラルのメンバーはGK3人を含めた11人しかいない異常事態に。これが最低でも13選手のスカッドを用意するというAFCのコロナウイルス禍における特別規則第4.3条に抵触。当該試合の無効が決定するとともに、前回王者の失格も決まった。

 前回王者がメンバーを用意できずに姿を消す――。この前代未聞の事態に世界も驚きを隠せずにいる。
 
 英公共放送『BBC』が、「まさかの追放だ」と報じれば、スペイン紙『Marca』は、「アジア・サッカー連盟は歴史的な決定を下した。コロナウイルスのためにチャンピオンを失格にさせた」とレポート。さらにフランス紙『LE SOIR』は、「アジア王者が人手不足で驚きの失格だ」と異例のニュースを報じた。

 なお、今回の決定について、AFCは次のように説明している。

「要請された延期に関しては、アジア・チャンピオンズリーグ西地区の試合スケジュールに大きな影響を与えるものだ。それだけに例外は認められなかった」

 昨シーズンの決勝で、浦和レッズを完膚なきまでに打ちのめし、力強さを見せつけたアル・ヒラル。そんな王者を襲った予期せぬ事態は、しばらく波紋を広げそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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