【韓国が見た日本】ACLで韓国勢に1分3敗の日本。「自分たちのサッカー」に満足しがちな価値観に警鐘

2015年03月10日 慎武宏

「本気で勝ちに来ているのかと疑ってしまうほどだった」と韓国メディア。

城南FCに0-2で敗れたG大阪。シーズンは始まったばかりとはいえ、ACLでは早くも次ラウンド進出へ黄信号が灯っている。 (C) Getty Images

 今季もACLで苦戦が続くJリーグ勢。2節を終えた時点で昨季三冠を達成したG大阪、浦和、鹿島がグループリーグ最下位に甘んじている。とりわけ宿命のライバルであるKリーグ勢にはひとつも勝てなかった。この結果を受け、韓国メディアでは
「1分3敗のJリーグ、Kリーグの勝点自販機に?」(サッカーメディア『インターフットボール』)
と報じたほどである。
 
「自販機は言い過ぎだが、そう言われても仕方がないほどJリーグ勢の戦いぶりは期待外れだった。というより、準備不足は否めず誤解を恐れずに言えば"本気で勝ちに来ているのか"と疑ってしまうほどだった」
 
 そう語るのは韓国の人気サッカー専門誌『Four Four Two KOREA』のデスクであるホン・ジェミン記者だ。韓国で行なわれたすべての試合を現場で取材した同記者は言う。
 
「実力からすれば、G大阪は城南FCには勝てたはずだ。なにしろ、城南は市民クラブでKリーグ勢でもCクラスに値する。それでも城南に軍配が上がったのは、対策を徹底して練っていたからであり、対してG大阪は無策のように見えた」
 
 さらに続けてこう語る。
「柏はらしさがまったく見られなかったし、浦和にはネガティブな意味でちょっと驚いた。ACLを制した2007年当時は戦術的に非常に研ぎ澄まされた素晴らしいチームという印象を持ったが、平凡なチームになってしまった感は否めない。もちろん、外国籍選手や監督が変わったこともあるのだろうが……」
 
 こうしたJリーグ勢の苦戦は日程面だけが原因ではないと、ホン・ジェミン記者は見ている。
 
「Jリーグ勢が春先からエンジン全開とならないのは今に始まったことではないし、リーグ開幕前にACLを戦わねばならないのはKリーグ勢も同じこと。それでも同じ失敗を繰り返すのは、ACLの優先順位がリーグ戦よりも低いからではないかと勘ぐってしまう。浦項とのリーグ開幕戦を落とした水原のソ・ジョンウォン監督やMFキム・ウンソン選手も、"ACLとリーグの並行は負担だが、アジアの舞台で戦える自負心がある"と言っていた。Jリーグ勢からはそういう気骨があまり感じられない」

次ページ韓国内にも内容で満足して言い逃れする傾向が……。

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