【C大阪】「僕のサッカー人生の寿命を消化してしまう…」都倉賢が苦難の日々を告白。今季初ゴールの裏に隠された思い

2020年09月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

「色々な思いがあった1か月でした」

浦和戦で待望の今季初ゴールを挙げた都倉。その裏には並々ならぬ思いが隠されていた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ14節]C大阪3-0浦和/9月5日(土)/ヤンマースタジアム長居

 6節・ヴィッセル神戸戦以来となる先発出場を果たしたFW都倉賢が、ついに待望の今季初ゴールを挙げた。

 歓喜の瞬間はスコアレスで迎えた後半開始直後の48分に訪れた。清武弘嗣のサイドチェンジから、右サイドで受けた坂元達裕が積極的に仕掛け、クロスを供給。これにファーサイドに走り込んでいた都倉が、高打点のヘディングで逆サイドのネットを揺らした。

「ハーフタイムでも、(ゴール前に)僕がいるのでシンプルに上げようっていう話はあったなかで、一発目のプレーだったのでタツ(坂元)も割り切って、自分の得意な方で蹴ってくれた。彼の特徴は分かっていたので、身体の向きなどから、あの瞬間は彼がファーサイドにセンタリングを上げることを感じ取れた。自分の滞空時間や体幹の強さ、そういったすべてがあのヘディングに凝縮できたかなと思います」

 後輩への信頼から生まれたゴール。しかしここに至るまでには、並々ならぬ自分自身との格闘の日々があった。
 
 都倉は新エースとして期待されていた加入1年目の昨シーズン、5月に行なわれたJ1・11節の横浜F・マリノス戦で右膝前十字靭帯損傷および右膝外側半月板損傷の大怪我を負い、全治8か月と診断。その影響により、リーグ戦11試合出場でわずか1得点止まりとなった。

 さらに再起を誓った今季もベンチからのスタートが多く、限られた時間の中で本来のパフォーマンスを見せられないでいた。そんな精神的にも苦しい状況下にいた胸の内を「色々な思いがあった1か月でした」と振り返った。

「純粋にここまで結果が出せず、メンバーにも入れない時期が続いて、自分と向き合う時間だったり悔しさがありました。この時間が続けば続くだけ、僕のサッカー人生の寿命を消化してしまうというか、そういった思いがありました。常に周りと比較することなく、自分にベクトルを向けて、常に最高の準備をし続けてきた自信はあるので、そういった部分で今回はいきなりのスタメン起用でしたけど、自分の仕事はできたと思います。もしここで結果を出すことができなかったら、またチャンスはなかなか巡って来ないのかなっていう思いもあった。今日はチームと自分自身のパフォーマンスがうまく噛み合った結果、サッカー人生に望みというか、しっかりまた成長していけそうな手ごたえはあるので、引き続き努力していきます」

 様々な苦境を乗り越え、ついに決めたゴールという目に見える結果。ロティーナ監督も「絶対に彼の自信になる」と祝福したストライカーの、今後の爆発に期待は高まるばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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