【指揮官コラム】チェンマイFC監督 三浦泰年の『情熱地泰』|リーグ戦前日のスタジアム練習という盲点

2015年03月03日 サッカーダイジェスト編集部

タイではごく当たり前の、Jリーグにはない慣習。

リーグ戦前日のスタジアム練習の風景。三浦監督がタイにやってきて驚かされたことのひとつだ。

 タイリーグ・ディビジョン1の第3節。チェンマイFCは、BBCUに0-2で敗れ、1勝1分け1敗となった。
 
 これでリーグ戦では、勝ちと引き分け、負けのすべての結果を経験したことになる。できれば、負けは経験しないままシーズンを終えられればいいのだが、現実はそんなに甘くはなかった。
 
 ただし、まだシーズンは始まったばかりでもある。考えようによっては、開幕からの3試合で、3つの異なる結果を得られたのは悪いことばかりでもないかもしれない。この結果を今後にどう活かしていくかが課題になる。
 
 ところで、タイリーグの試合にはJリーグにはない、ある驚くべき慣習がある。それは、試合前日に会場となるスタジアムで1時間の練習ができることだ。ホームチームもアウェーチームも1時間、平等な時間割で行なわれている。
 
 タイリーグで長く活動している人たちにとっては、大した話ではないかもしれないが、今季からこの地で指揮を執る僕にとっては、本当に驚きであり、新鮮なことだった。
 
 国際試合ではよく見られる風景ではあるが、国内リーグの試合会場で両チームが前日練習を行なうとは、日本では考えもしなかったことだ。普通は、ホームチームのみが数日前にスタジアムチェックを兼ねてトレーニングをする。それが世界的にもスタンダードだと思う。
 
 ピッチを管理する立場の人たち(グラウンドキーバー)としては、より良い状態でプレーさせてあげたい、前日は芝を休ませたい、と思うのが普通だろう。日本では、なかなか実現しづらいことかもしれないが、前日練習をやることになったら、前々日移動が可能になり、アウェーチームのコンディションも上がり、より質の高い試合になる可能性もある。
 
 まさしくこれは盲点で、日本にいた時は考えたこともなかった。僕自身は、正直「いいね!」と感じた。まずは細かいことを考えずに、トライしてみるあたりがタイらしさというべきだろうか。

次ページまだまだいろんな角度からサッカーを知る必要がある。

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