「え? またオメデタなの?」嬉しいイングランド代表初招集を報告も、両親がまさかの勘違い!

2020年09月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

かつてのエリートが27歳で掴んだビッグチャンス

ケインやダイヤーら同世代にようやく追いついたコーディ。ネイションズ・リーグで出番は訪れるか。(C)Getty Images

 苦労人がついにA代表初招集を勝ち取った。プレミアリーグのウォルバーハンプトンで出色のパフォーマンスを披露し続けるDF、コナー・コーディである。

 FA(イングランド・サッカー協会)は現地8月29日、ネイションズ・リーグ2試合に臨むイングランド代表メンバーの変更を発表。バカンス先でトラブルを起こしたハリー・マグワイア(マンチェスター・ユナイテッド)に代わってお呼びがかかったのが、エインズリー・メイトランド=ナイルズ(アーセナル)とコーディのふたりだった。どちらも嬉しい初招集となる。

 年代別代表で常連のコーディは将来を嘱望されたエリートだった。U-17代表ではキャプテンとしてU-17欧州選手権制覇の原動力となり、U-20代表でも主軸としてフル稼働。しかしその後は伸び悩み、2014年夏にアカデミー時代から籍を置いたリバプールからハッダースフィールドへ完全移籍する。この1年後にはウォルバーハンプトンへ活躍の場を移すのだが、これが大きな転機となった。

 ウルブスでメキメキと頭角を現わし、2017-18シーズンにはプレミアリーグ昇格に多大な貢献を果たす。とりわけポルトガル人のヌーノ・エスピリート・サント監督との出会いが大きく、同指揮官が採用する3バックの要となった。目下2シーズン連続で全試合フルタイム出場を達成するなど、チームの快進撃を支えている。

 先のヨーロッパリーグ決勝ラウンドでチームは惜しくも優勝したセビージャに敗れて8強に終わったが、コーディはキャプテンとして絶大な存在感を示した。そしてイングランド代表を率いるガレス・サウスゲイト監督が採用する3バックの適任者と評価され、今回白羽の矢が立ったというわけだ。

 興奮を隠せないコーディは英公共放送『BBC』の取材に応え、「電話で通知をもらったんだけど、忘れられない瞬間だった。ブルブルと手が震えてしまったよ」と振り返り、ユニークなエピソードも紹介した。

「これまで応援してくれた両親に(代表初招集を)直接伝えたかった。妻のエイミーと一緒に実家に行って、彼女の腰に手を回しながら切り出そうとしたら……。『エイミー、もしかしてまたオメデタなのかい? おやまあ!』と勘違いして、一方的に盛り上がってしまったんだ。ノー、ノー、違うよ、代表チームに初めて呼ばれたんだよって(笑)。もちろん、ものすごく喜んでくれたけどね。それくらい我が家では遠い場所の話だったということさ」

 ちなみに27歳のコーディは3人の子持ち。両親が早とちりしてしまうのも致し方ないか。

 同世代のハリー・ケイン、エリック・ダイアー(ともにトッテナム・ホットスパー)、ジョン・ストーンズ(マンチェスター・シティ)らが次々とA代表に昇格していくなか、下部リーグで研鑽を積んできた苦労人が、いよいよビッグチャンスを掴んだ。「代表ゲームはすべて観ているし、どれだけハードなものかも想像できる。いまはとにかく、試合に出れても出れなくてもベストを尽くしたい。チームの勝利に貢献したいんだ」と、意気込みを語った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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