話題の“こんちゅうクン”が私的解説! C・ロナウドらCLで活躍した名手を昆虫に例えると?

2020年08月31日 こんちゅうクン

C・ロナウドに負けず劣らずの跳躍力を持つ“虫”は?

おもしろ解説で話題を呼んでいる“こんちゅうクン”(左)がC・ロナウドらスターたちを解説した。 (C) Getty Images

 夢はサッカー選手になることだった。

 試合を見ながら、いつもあのピッチ上に立っていたらどんなプレーを選択するかと想像し、その妄想の上を行くスーパースター達のプレーに感動した。

 そんな私は、現在、幼少期にサッカーと同じく愛した昆虫に携わる仕事に就いている。「もし、私がピッチに立っていたら」と妄想していたところを、今では「もし、虫たちがピッチに立っていたら」と考えてしまうまでになった。

 昆虫は100万種を超えると言われる多様性を誇り、そのどれもが環境に適応し、厳しい生存競争を勝ち抜いた"スーパースター"に他ならない。本稿では、私がいつも妄想している視点で、2019-20シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)で活躍した選手を紹介してみたいと思う。

サッカーを見ながら昆虫を想い、また、昆虫を見ながらサッカーに想いを馳せる楽しみを少しでも知っていただければ幸いである。

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クリスチアーノ・ロナウド(ユベントス/ポルトガル代表FW)

 C・ロナウドとリオメル・メッシは、「永遠のライバル」と呼ぶにふさわしい関係だ。ゴール数、あらゆる記録、タイトル。そのどれをとっても、どちらが優れているとは言い難い。しかし、前者が確実に勝っていると言えるのが、ヘディングである。
 
 2020年8月26日現在、2人のヘディングでのゴール数は、メッシが「24点」なのに対し、C・ロナウドは圧巻の「128点」である。2019年12月18日のサンプドリア戦(セリエA第17節)で決めた打点の高いヘッド弾は、最高到達点2メートル56センチ、滞空時間1.5秒で、「史上最高のヘディングシュート」とも言われた。この驚異的な跳躍力を可能にしているのは、彼の持つ圧倒的な脚力に他ならない。

 彼ほど跳べる人間はそうそういないが、負けず劣らずの脚力を持つ"虫"は、存在する。トノサマバッタだ。

 バッタは跳躍に使う後ろ脚が長くなっており、特に腿節(たいせつ。人で言う太ももの部分)の筋肉が大きく発達している。とりわけトノサマバッタは大型のバッタで、他の多くのバッタよりも跳躍力に長けているだけでなく、跳躍してからはねを広げて飛翔し、なんと10メートル以上も飛ぶことができる。

 虫とり網を持って河川敷などの草むらへ行き、ぜひトノサマバッタ採集にチャレンジしていただきたい。近くにいると思ったら一瞬で目の前から消え去ってしまう爆発的な瞬発力。そして、足下から一気に頭を飛び越えていく跳躍力。まさに「草むら界のC・ロナウド」と呼べる身体能力の高さを実感できるはずだ。

 また、トノサマバッタは飛翔しながら方向を変え、虫とり網の横をすり抜けていく。C・ロナウドのブレ球シュートを受けるGKの気持ちまでわかるかもしれない。

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