【EL決勝展望】最多優勝のセビージャが“10戦連発”のインテル主砲を封じ込めるか。両サイドの攻防もカギを握る

2020年08月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

対人戦に強いCBコンビが強力2トップを封じ込めるか

【欠場濃厚の故障者】インテル=ベシーノ セビージャ=なし

 UEFAカップ時代も含め、史上最多となる5度の戴冠をこの14シーズンで成し遂げている"ELコレクター"のセビージャと、22年ぶり4度目の頂点を狙うインテル。優勝候補同士の好ゲームが期待できそうだ。

 とはいえ、わずかに有利なのは、セリエAを2位でフィニッシュし、チャンピオンズ・リーグから回ったこの大会でも、ルドゴレツ(2試合合計4-1)、ヘタフェ(2-0)、レバークーゼン(2-1)、シャフタール(5-0)という難敵を相手に順当に勝ち上がってきた後者だろう。

 何より心強いのは、全5試合でゴール(6点)を決めている主砲ロメル・ルカクの存在だ。エバートン時代も含めてELで10試合連続得点の大会記録を更新中のベルギー代表FWは、桁違いのフィジカルでボールを収め、強引にゴールをこじ開ける。

 前線でコンビを組むラウタロ・マルティネスとの連係も良好で、合わせて5戦8発の強力2トップを、対人戦に強いセビージャのCBコンビ(ジュル・クンデ&ジエゴ・カルロス)が封じ込めるかがポイントとなる。
 
 そのセビージャはグループステージを含めた11試合で5失点と、今シーズンから指揮を執るジュレン・ロペテギ監督の下で守備が安定。ラウンド・オブ16でローマ(2-0)、準々決勝でウォルバーハンプトン(1-0)、そして準決勝でマンチェスター・ユナイテッド(2-1)と、格が同等かそれ以上の相手を連破して勝ち上がれたのも、ディフェンス陣の奮闘があったからだ。

"走れるレジスタ"マルセロ・ブロゾビッチが操るインテルのアグレッシブな攻撃を凌ぎ、得意のサイド攻撃に繋げられるか。右のヘスス・ナバスとスソ、左のセルヒオ・レギロンとルーカス・オカンポスが繰り出す鋭いアタックは、同じくアシュリー・ヤングとダニーロ・ダンブロージオの両WBを出来がカギを握るインテルも警戒しているだろう。

 古巣対戦となるエデル・バネガが展開したパスを受け、仕掛ける役を担うスソとオカンポスの両ウイングは、インテルの宿敵ミランでもプレーした。とりわけ前者はダービーでヒーローになった経験もあり、いいイメージを持って試合に臨めるはずだ。いずれにしても、サイドの攻防を制したチームが、試合の主導権を握るだろう。
 
 インテルはFWアレクシス・サンチェスとMFクリスティアン・エリクセン、セビージャはFWのルーク・デヨングとムニル・エル・ハッダディとベンチに控える駒も豊富。選手交代も含めたアントニオ・コンテとロペテギの両指揮官の頭脳戦も注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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