ルーカスの土壇場弾で札幌執念のドロー!大分は5連敗からの2連勝とはならず

2020年08月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

耐える時間帯の続いた大分が先制に成功

土壇場で鮮やかな同点ゴールを奪ったルーカス。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 J1リーグは8月19日、各地で第11節の8試合を開催。札幌厚別公園競技場では、北海道コンサドーレ札幌対大分トリニータの一戦が行なわれ、1-1のドローに終わった。

 前節、首位川崎相手に6失点の大敗を喫した札幌はルーキーのDF田中駿汰が3試合ぶりにスタメン復帰、一方リーグ戦の連敗を5で止めた大分は俊足MF松本怜を5試合ぶりにスタメン起用し、殊勲の決勝弾を挙げた田中達也はベンチスタートとなった。

 立ち上がりは札幌が押し込む展開。積極的に攻め上がった菅大輝や進藤亮佑が立て続けに惜しいシュートを放つも、いずれもゴールは生まれない。さらに12分、好位置でFKを獲得。福森晃斗が左足で狙いすましたシュートを放つも、これもわずかにゴール右に外れる。

 その後も攻める札幌は長い間ボールを保持し、何度かチャンスを作るものの、世代別韓国代表の経験も持つGKムン・キョンゴンを中心とした大分の粘り強い守備を崩し切ることができない。

 対して、耐える時間帯が続く大分は36分、相手の隙を突き速攻から長谷川が決定的なチャンスを迎えるも、これはGK菅野孝憲が好セーブ。それでも、前半終了間際のCK。香川勇気が放ったシュートのこぼれ球を伊佐耕平が押し込み、なんと終始攻め込まれていたアウェーチームが先制に成功する。前半はこのゴールとともに終了した。
 
 後半は序盤から1点ビハインドの札幌が猛攻。細かくパスをつなぎ、ペナルティエリア内へ進入するも、フィニッシュに精度を欠く。57分にはたまらず、前節1得点の長身FWジェイを投入。ターゲットができたため、ここからはジェイを中心とした高さのある攻撃を続ける。しかし大分の落ち着いた守備に立ち阻まれ、なかなか決定機は生まれない。

 守備に追われる時間帯の多い大分は65分に田中を投入。縦に早い攻撃から追加点を奪う機会を窺い、徐々にチャンスも作り始める。そのなかで66分、伊佐が自陣でボールを奪い持ち上がり、ゴール前でフリーの高澤優也にパス。GKと1対1の決定機を迎えるも、菅野のビッグセーブに阻まれ追加点は奪えない。

 その後中盤から終盤にかけては札幌が一方的に攻め込む。ただそれでもやはり、大分の身体を投げ出した魂の守備を崩し切れきない。しかし、そのままタイムアップかと思われた終了間際の89分に、ドラマは待っていた。ゴール前でリズムよくパスをつないだ札幌は、最後はルーカス・フェルナンデスが落ち着いて流し込み、土壇場で同点に追いつくことに成功する。

 助っ人の今季2点目で息を吹き返した札幌は、その後の残り少ない時間で何度も逆転ゴールを目指して相手ゴールに迫るも、そこは大分も勝ち越しは許さない。結局試合はここで長いホイッスル。札幌は土壇場で勝点1を拾い、大分は勝点3を掴み損ねる結果となった。

 次節は大分がホームで柏レイソルと、札幌はアウェーでサガン鳥栖との試合が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で中止となっている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事