ビッグセーブを連発してマンU撃破に導いたのは「1か月前まで存在も議論された」セビージャの“控えGK”だ!

2020年08月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

「僕はたとえプレーしても、していなくても…」

文字通りの身を挺したセービングで、セビージャをファイナルに導いたのが、ボノだ。 (C) Getty Images

 現地時間8月16日に開催されたヨーロッパリーグ(EL)の準決勝で、セビージャはマンチェスター・ユナイテッドを相手に2-1の逆転勝利を飾った。

 立ち上がりの9分にPKを献上して先制されながらも、終盤に底力を発揮したセビージャ。そんなアンダルシアの雄を大会史上最多となる6度目のファイナルに導いたのは、モロッコ代表GKのヤシン・ボノだった。

 ボノが最大の見せ場を作ったのは、1-1で迎えた後半の立ち上がりだ。

 46分に自陣エリア内でフリーとなったメイソン・グリーンウッドのシュートを右足で弾けば、49分と52分にはアントニー・マルシアルの渾身のショットを難なくストップ。ユナイテッドの波状攻撃を食い止め、チームの逆転に向けた機運を高めたことは言うまでもない。
 
 怪我で離脱中の正守護神トマシュ・ヴァツリークの代役として、シーズン終盤から出場機会を増やしてきた29歳のGKが大一番で見せたパフォーマンスには、地元紙『Estadio Deportivo』も「イングランドの名門の前に巨人として立ちはだかったのは、1か月前まで存在すらも議論されていたモロッコ人だった。今や彼は大会のヒーローだ」と賛辞を送った。

 準々決勝のウォルバーハンプトン戦ではPKをストップするなど、出色のパフォーマンスを続けるボノ。ユナイテッド戦後のインタビューで、「決勝が残っているというのは集団としての喜びになる」と控えめに喜んだ。

「僕はたとえプレーしても、していなくてもいつも船に乗っている。困難なときには、心がないとすべてが複雑になってしまうけど、僕にはそれがある。その精神を持って決勝には臨みたいね。ユナイテッドがカウンターもポゼッションも強力なチームであると分かっていた。だけど、失点後は自分たちの試合ができたと思っている」

 チームの窮地を救い、史上最多6度目のEL制覇に突き進むセビージャを最後尾から支えるモロッコ代表GKには、決勝でも注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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