「なんて愚かな男だ!」元ロシア代表主将が激高し、主審を強烈パンチ&キックでKO! 大バッシングを浴びる

2020年08月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

翌朝に謝罪も簡単に収束とは──

現役時代、熱き闘将として鳴らしたシロコフ氏。今回は短気な性格が災いして……。(C)Getty Images

 かつてロシア代表でキャプテンを務めた名手が、ありえない蛮行に及んだ。ゲーム中に激高し、あろうことか主審をボコボコにしてしまったのだ。

 衝撃のシーンが引き起こされたのは、現地月曜日だった。ロシアの公共テレビ局『Matchtv』が主催しているアマチュアリーグの試合で、この日は元代表選手や芸能人、著名人らが多く参加。そこで看板スターとし出場していたのが、CSKAモスクワやゼニトで活躍し、ロシア代表としても57キャップ(14得点)を刻んだ攻撃的MF、ロマン・シロコフ氏だ。EURO2016を最後に現役を引退した、現在39歳のレジェンド。『Matchtv』とテレビ解説などの専属契約を結んでいる。

 現役時代もサポーターに食って掛かるなど癇癪持ちとして有名だったシロコフ氏。言うなれば草サッカーで、なぜそこまで怒りを爆発させたのか。まず不満を露わにしたのは、ニキータ・ダンチェンコ主審のジャッジに対してだ。相手DFにエリア内で倒されたが、PKの判定が下らない。これにシロコフ氏は猛然と抗議。この際に相当汚い言葉で主審を罵ったとされる。

 シロコフ氏に元へ駆け寄るダンチェンコ主審。そこで元代表主将は「俺にレッド(退場)を出してみろ! お前を殴り倒してやるからな!」と恫喝する。ダンチェンコ主審が迷わずカードを提示すると、即座に強烈な右フックをお見舞いして主審をKOしてしまったのだ。さらに酷かったのは、倒れ込んだ相手に右足で無情のキックまで打ち込んだところ。チームメイトらになんとか抑えられて、シロコフ氏はピッチを去った。

 試合の模様はテレビでライブ中継され、視聴者はスタープレーヤーの乱心に大きなショックを受けたようだ。テレビ局には抗議の電話が殺到したという。
 
 ロシア国内で著名なフットボール記者、アルトゥール・ペトロシャン氏は自身のツイッターで激しく糾弾。「なんて愚かな男なんだ! ダンチェンコは警察に被害届を出すだろう。それも当然だ。サッカー界におけるシロコフの影響力は絶大で、彼は審判のキャリアの岐路に立たされるかもしれなのだから」と綴った。

 世間の大バッシングを浴びて、シロコフ氏は翌朝になって謝罪のメッセージを発した。「ニキータさんに対する不適切な行動に関して、心の底からお詫びしたい。いくら明確なPKでレッドカードを提示されたからといって、許されない行為に及んでしまった」と記し、「ニキータさんが一日でも早くピッチに復帰できる日を待ち望んでいる。そして試合を主催した事務局やチームメイトにも謝りたい」と続けた。

 しかしペトロシャン記者は「不十分な謝罪だ」と指摘し、「彼が本当のプロなら、まず彼がなすべきはMatchtvへの当面の出演自粛だ」と要求した。

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