「やれると思ったが…」大逆転負けのアタランタ指揮官が脱帽したパリSGの選手は?「彼が決定的だった」

2020年08月13日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「CLはディテールの大会なんだ」

CL初出場のアタランタを8強に導いたガスペリーニ。ベスト4まであと数分だったが……。(C) Getty Images

 ベスト4まで、あとわずかだった。パリ・サンジェルマンを倒し、チャンピオンズ・リーグ(CL)準決勝を戦う夢が、現実になるかと思われた。だが一転、アタランタは失意のどん底につき落とされた。

 8月12日のCL準々決勝、アタランタはパリSGに1-2と敗れた。前半にマリオ・パシャリッチのゴールで先制し、終盤までリードを保ちながら、90分にマルキーニョスの同点弾を許すと、アディショナルタイムにも途中出場のマキシム・シュポ=モティングに決勝点を献上している。

 大きかったのは、当初は負傷欠場が有力視されながらベンチ入りを果たし、途中出場で試合の流れを変えたキリアン・エムバペの投入だ。

 イタリア衛星放送『Sky Sport』によると、ファビオ・カペッロは「違いとなったのはクオリティーだ」とコメント。「パリ・サンジェルマンには層の厚みがあった。最初はネイマールが違いをつくり、エムバペの投入が試合を変えた」と話している。

【動画】歴史に残る逆転劇!パリSG対アタランタのハイライト

「それでパリはもっとパーソナリティーを出し、自信を深めた。相手を苦しめられるとね。それまでは拮抗していたが、パリの交代で、アタランタはそれまで見せていたスピードと気迫を保てなかったんだ」

 いずれにしても、落胆は計り知れない。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督は「とても悔しいよ。やれると思われた。(突破したら)偉業だったんだが」と悔しさを露わにした。

「選手たちには感謝するばかりだよ。あと少しだった。決まったと思われた。でも、技術や運動能力の点で世界最強の部類に入るチームと対戦するのは大変なんだ。(キリアン・)エムバペの投入が決定的だった。だが、われわれはやるべきことをすべてやったよ。これ以上は難しかった」
 
 ガスペリーニは「CLは特殊な大会だ。ディテールの大会なんだよ。ピッチ上ですごく拮抗しているときは、細部が決め手となる」と続けた。

「われわれはセットプレーを準備してきて、強かった。チャンスもあった。だが、そのセットプレーやいくつかのカウンターをもっとうまくやることができたはずだ。とはいえ、それらもディテールだよ」

 新型コロナウイルスに大打撃を受けた小さな街ベルガモを拠点とするアタランタは、セリエAでもリーグ最多得点を記録して3位フィニッシュ。新シーズンもCLの舞台に戻ってくる。

 指揮官は「ベルガモの人たちは、われわれの帰属意識から、いずれにしても祝ってくれているはずだ」と強調した。

「チームは情熱的に全力を尽くした。彼らはそれを見たのだからね。いずれにしても、われわれは幸せだ。来年は、もっと向上するために再出発しよう。向上というのは、内容面のことだ。結果は、これ以上は難しいからね。スクデットを目標にできるわけじゃない」

 タイトルを狙えるかは別にして、アタランタが国内外で再び活躍し、魅力的なサッカーでイタリアと欧州の舞台を沸かせてくれるのを楽しみにしているファンは多いだろう。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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