【甲府】山口戦で浮かび上がったストロングポイントと課題。“外国人頼み”のチームに必要な改善策は?

2020年08月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

過密日程で優位となるセットプレーの強さに期待

甲府は山口戦で5度目のドロー。それでも敗戦は1試合のみと、着実に勝点を積み上げている。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J2リーグ9節]甲府1-1山口/8月2日/山梨中銀スタジアム

 甲府は山口戦で今季5度目のドロー。先制されながらもセットプレーで追い付き、勝点1を拾った格好だ。この試合で浮き上がったのがチームの武器と、今後の戦いの課題である。

 今季はポゼッションを高める戦いに移行を図るなか、攻撃面は構築段階。そんななかでも半数近くの6ゴールがセットプレーから生まれており、ここまで1敗のみと勝点を積み上げられている大きな要因となっている。

 内田健太は、「準備してきたことが自信を持ってできている」と手応えを口にする。「ゴール前に明確な入り方ができている。必然の点であり、選手とスタッフにすごく感謝している」と、伊藤彰監督も得点源として評価している。

 そのチームの武器を支えているのが、今季からヘッドコーチに就任した渋谷洋樹氏だ。相手の守り方を分析しつつ、チームとしての狙い所を共有。内田や藤田優人らから精度の高いキックが送り込まれ、今津佑太や松田力ら強力なヘッダーが活かされている。同時にセットプレーからの失点も、千葉戦のFKからの1点のみ。攻守において発揮できているセットプレーの強さは、これから始まる5連戦という過密日程下でもストロングポイントとして期待が持てる。
 
 一方で、山口戦は相手のビルドアップに効果的なプレスをかけられず、ディフェンスラインが後退。下げ切ってまずは守り抜くという割り切りも時には必要だが、サイドにボールが出た際にもボールホルダーにチャレンジできず、メンタルも含めて守備に重心が傾きすぎて先制点を許した。

 勝点3を手にした6節・大宮戦や7節・千葉戦では、相手にボールを持たれながらも前線から規制をかけ、最終ラインは下がり過ぎることなく対応できていた。チームとして目指す方向はこの2試合の戦い方であり、高い位置での守備の連動性を機能させつつ、いかにポゼッションの時間を長くしていけるかが今後の課題となる。

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