オーバメヤンのアンリを彷彿とさせる美弾が炸裂! アーセナルが宿敵を撃破して史上最多14度目のFAカップ制覇

2020年08月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

チェルシーはトリガーの離脱をきっかけに…

鮮やかなループシュートを決め、チームを逆転勝利に導いたオーバメヤンは2ゴールで殊勲の活躍ぶりだった。 (C) Getty Images

 現地時間8月1日、FAカップの決勝が行なわれ、アーセナルとチェルシーが対戦した。

 大会通算138回目のファイナルで、史上最多となる3度目の顔合わせとなったロンドンを代表する両雄のマッチアップは、開始早々にチェルシーが均衡を破る。

 味方との連携から敵エリア内左に侵入したマウントの折り返しを中央で受けたジルーが巧みなポストプレーからヒールで落とすと、それを受けたプリシッチが相手DFをかわして冷静に決めた。

 巧みなコンビネーションから先手を取ったチェルシーは、10分に再びプリシッチが決定機を創出するなど、アーセナルを押し込む展開が続いた。

 かたや劣勢が続いたアーセナルだったが、20分過ぎに巻き返す。24分にペペが豪快なミドルシュートがオフサイドで取り消される不運に見舞われたものの、直後の26分にオーバメヤンがPKを獲得。これをガボン代表FWが自ら決めて同点とした。

 30分以降、互いに連動性のある動きで相手の起点を潰しにいった攻防戦が続いた試合は、タイスコアのまま、前半を終えた。
 

 迎えた後半、前半の立ち上がりのように攻めに出たチェルシーだったが、思わぬアクシデントに見舞われる。先制点を挙げ、攻撃の起点となり続けていたプリシッチがドリブルを仕掛けた際にハムストリングを痛めて、負傷離脱を余儀なくされたのだ。

 トリガーの離脱をきっかけに尻すぼみとなったチェルシーに対し、アーセナルは慌てることなく自陣から丁寧にボールをつないでチャンスを伺う。オーバメヤンとペペの両ウイングが果敢にアタッキングサードに攻め入るも、アイデアを欠き、球際で強さを見せる相手守備陣を崩せないもどかしい時間が続いた。

 その後、一進一退の攻防が続いた熱戦は、67分にアーセナルがワンチャンスをモノにする。

 カウンターの流れから敵エリア内左でボールを受けたオーバメヤンが、緩急をつけたドリブルで相手CBズマを抜き去り、最後は鮮やかなループシュートで、飛び出してきたGKカバジェロの頭上を射抜いた。

 クラブのレジェンドであるアンリを彷彿とさせるゴラッソで逆転に成功したアーセナル。かたやチェルシーは73分にコバチッチが二度目の警告を受けて退場に……。数的にも不利になってしまう。

 それでも何とか追いつきたいブルーズは、78分にハドソン=オドイ、バークリー、エイブラハムという攻撃的カードを同時に切って、ランパード監督がピッチへメッセージを送る。

 しかし、終盤に入っても集中力を切らさなかったアーセナルは、チェルシーのパワープレーにも屈せずに1点を死守して2-1で勝利。3年ぶりとなる史上最多14度目のFAカップ戴冠を果たした。この結果、来シーズンのヨーロッパリーグ出場権を獲得した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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