前人未到のセリエA9連覇達成のユベントス。サッリ体制初タイトルの鍵となった5つのポイントとは?

2020年07月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

最後に選ばれた9連覇の「鍵」は?

足踏みをする時もあったが、最後は地力を見せつけたのが、ユベントスだ。 (C) Getty Images

 現地時間7月26日に開催されたセリエA第36節で、ユベントスはサンプドリアにホームで2-0と勝利し、9年連続36回目の優勝を決めた。マウリツィオ・サッリ監督にとっては、母国イタリアでの初タイトルだ。

 新型コロナウイルスの影響で、リーグが3か月も中断した異例のシーズンは、サッリ体制になって1年目のユーベにとって簡単な一年ではなかった。

 それでも、OBのアントニオ・コンテ率いるインテルや、シーズン中断時点で勝点1差だったラツィオを引き離し、ユーベは9連覇という偉業を成し遂げた。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』は、そんな絶対王者の鍵となった5つのポイントを分析している。

 同紙がまず選んだのは、開幕前にパウロ・ディバラが残留したことだった。

 昨シーズンに、不本意な出来に終わった背番号10は、昨夏にマンチェスター・ユナイテッドやトッテナムなどへの移籍が取りざたされたのは記憶に新しい。だが、最終的に残留し、スクデット獲得のキーマンのひとりとなる活躍を見せた。

 2つめのポイントは、第2節のナポリ戦。近年のリーグで覇権を競い、今季も対抗馬の一角だったライバルとの直接対決で、ユーベは3点を先行しながら終盤に追いつかれる。だが、92分にカリドゥ・クリバリのオウンゴールで勝ち越しに成功。幸運にも恵まれた。

 3つめは、開幕6連勝とロケットスタートに成功したインテルとの直接対決を制したこと。敵地サン・シーロでの第7節の対戦では、ゴンサロ・イグアインの決勝点で2-1と勝利。『Gazzetta dello Sport』は、この決勝点が「全般的にはネガティブだったイグアインの今シーズンにおいてもっとも重要な一発」だったと評している。
 
 そして、4つめは、新戦力マタイス・デリフトのブレイクである。

 ジョルジョ・キエッリーニの長期離脱により、レオナルド・ボヌッチの相棒としてレギュラーの座をつかんだオランダ代表DFは、序盤戦こそハンドによるPK献上などが騒がれたが、『Gazzetta dello Sport』は、特にロックダウン後、ユーベの守備が不安定な中で、「デリフトがいなければもっと失点していた」と長年とどめるべきタレントと賛辞を寄せた。

 そして最後は、ナポリとのコッパ・イタリア決勝で敗れた直後の重鎮たちの"喝"だ。

 シーズン再開直後のユーベは、ミランとのコッパ準決勝第2レグ、そしてナポリとの決勝と、低調なパフォーマンスで批判を浴びた。『Gazzetta dello Sport』は、そこでジャンルイジ・ブッフォン、ボヌッチ、そしてキエッリーニが声を上げたことで、ユーベが苦しみながらも逃げ切りに成功したと伝えている。

 ナポリ時代にサッリが披露したようなスペクタクルなサッカーを見せられず、近年では珍しい失点や取りこぼしもあっただけに、厳しい評価もあるユベントス。だが、前人未到の9連覇という偉業を成し遂げたことへの賛辞は止まらない。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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