「ホッとしている部分も」「宮原とは一緒にやっていたので…」再開後初の事態に広島の城福監督、選手たちの胸中は?

2020年07月26日 寺田弘幸

中止試合でメンバー入り予定の選手たちはトレーニングを実施

名古屋戦中止を受けて会見を行なった城福監督。複雑な胸の内を明かした。写真:滝川敏之

 7月26日に開催予定だった、J1リーグ第7節のサンフレッチェ広島と名古屋グランパスの一戦は、名古屋に新型コロナウイルス感染症の検査で陽性者が確認され、試合前までに濃厚接触者の特定が困難なため、試合中止となった。

 前日の25日に名古屋のDF宮原和也の新型コロナウイルス感染を報告していた名古屋は、選手ら約60人にPCR検査を実施。その結果、新たにMF渡邉柊斗とトップチームスタッフ1人に陽性反応が出たことを発表した。

 7月4日のJ1リーグ再開以来初めての試合中止に、エディオンスタジアムで名古屋を迎え撃つ準備を進めていた広島の城福浩監督は「残念の一言です」と胸中を語った。

「コンディション的にもメンタル的にもいい準備してきて、最近の試合で勝点を取れていない状況も含めて、この試合に懸けてきた想いがあった。ファンの方々が来てくださる中で皆さんと勝点3を喜び合うことだけをイメージしてやってきたので、試合をやれないのは本当に残念です」
 
 午前中にチームスタッフから連絡を受けて試合中止を知ったDF荒木隼人も無念の気持ちをこう滲ませた。

「この試合に向けてチーム全体でいい準備をしてきていましたし、僕自身も気持ちを作ってきていたので、残念な気持ちはあります。応援に駆け付けようとしてくれていたファンの方々にとっても試合運営に関わる方々にとっても中止は非常に残念なことだと思いますけど、名古屋の選手に感染者が出て、誰が濃厚接触しているかわからない中では、致し方ない判断かなと思います。やっぱり人の命があってこそ。名古屋の選手が一日でも早くピッチの戻ってこれることを祈るだけです」

 MF青山敏弘は「僕自身はホッとしている部分もあります」と言う。

「(名古屋の選手が感染した報道があった)昨日から不安な気持ちはあった。自分たちの家族も不安を持っていたと思うし、中止にしてくれてリスクがなくなった」と言い、「僕らにとっても他人事ではないし、宮原とは一緒にやっていたので本当に早く良くなってほしいです。名古屋のチーム関係者にこれ以上感染者が出ないことを祈っています」と神妙な面持ちで話していた。
 

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