【東京V】「潮音が決めていれば終わっていた」。佐藤優平が明かした山形戦の分岐点

2020年07月25日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

あそこで先制していれば…

ボールに絡みながらも無得点に終わった佐藤。果敢に攻めたが……。写真:滝川敏之

[J2リーグ7節] 東京V0-0山形/7月25日/味の素スタジアム

 「(井上)潮音が決めていれば(試合は)終わっていた」

 試合後のオンライン取材で、東京Vの佐藤優平はそう言った。確かに、頷ける部分はある。山形をホームに迎えた一戦、東京Vが最初に掴んだ決定機(13分)をモノにしていれば、相手に大きなダメージを与えていたはずだからだ。

 しかし、藤本のスルーパスからドリブルで持ち込み、GKと1対1になった井上のシュートはポストを叩いてしまう。そのこぼれ球に反応した端戸のシュートも防いだ山形に最後まで守り切られてしまった東京Vにとって、この13分の決定機逸は結果的に大きなターニングポイントなった。

 あそこで先制していれば、山形もゴールを奪おうと前に出てくる可能性が高く、その結果、ボールポゼッションで上回っていた東京Vが逆にギャップを突いて追加点を決めるという展開になっても不思議はなかった。だからこそ、佐藤はこう言ったのだろう。

「あれ(13分の決定機)を決めていれば、相手は一生(ボールを)回されて終わっていたと思います」
 
 いくつかピンチもあった東京Vだが、ボールを握る時間帯が多かった試合展開を考えれば、この山形戦は勝ちたかった。永井秀樹監督が「正直、悔しい」とコメントしたように、今回のスコアレスドローは素直に喜べない結果だった。

 ただ、13分の決定機以外、山形に冷や汗をかかせた場面はあったか。いずれにしても、東京Vの攻撃に工夫が足りなかったのも事実だろう。永井監督は言う。

「相手が守備を固めるならどこを引き出して、進入して仕留めるか。頭のチップを変えていく必要があった」

 山形の守備網にハマる前にゴールを奪っていれば……。その意味ではやはり、佐藤が主張するとおり、13分の決定機逸がすべてだったのかもしれない。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事