【横浜FC】決定的な仕事にいかに絡むか。松尾佑介が考える「自分が使われている意味」

2020年07月25日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「“間”というか、時間の使い方」を意識

突破力に定評のある松尾。今後の課題は、相手ゴール前でどれだけ冷静にプレーできるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 攻撃面のさらなる強化のために、下平隆宏監督は「最後の仕上げの部分、特にワイドからの攻撃はもう少し増していかないと」と考えている。さらに指揮官は「サイドのところで、個で勝負して勝てるか勝てないかで大きく違ってくる」とその重要性を強調する。

 重責を担い、活躍が期待されているひとりが、大卒ルーキーの松尾佑介だ。特別指定に登録された昨季は4-2-3-1の2列目左サイドを主戦場に、21試合・6得点の成績でJ1昇格に貢献。プロ1年目の今季は、リーグ再開後から採用されている3-5-2の左ウイングバックを託され、レギュラーに定着しつつある。

 攻撃と守備の両局面に大きく関わるウイングバックというポジションで、まず攻撃について「突破はできている。あとはその後の質」にフォーカスする松尾は「最後のところの"間"というか、時間の使い方」を意識しているという。

「少し溜めるとか。すぐパッと出すのではなくて、ゴール前で少し溜めて、相手を見るとか。その時間の部分をもう少し工夫できたら、相手も選択肢を絞り辛いところもあると思います。ゴール前でもっと冷静にプレーしたい」

 一方の守備については「これまで守備を求められてきた選手ではないので、難しいところもあります」と認めつつ、「後ろの小林(友希/3バックの左ストッパー)とかと連係して、少しずつ改善されていると思う」と手応えを口にする。

「それと、チームとして、どこに向けて相手を誘導させるとか、ここはやらせてもいい、やらせてはいけないとかをはっきりさせたり。また、ディフェンスラインで少しバラつきが見られるので、チームとして改善できれば。そういうところを突き詰めていければ、もっと良くなるはず」

 攻守でやるべきことは整理されている。あとは、その配分をどう考えているか。
 
「相手チームによって変わるとは思うけど、僕自身は攻撃の選手なので、僕がウイングバックに入っているからこそできることを、ピッチの中でやらなければ意味がない。守備だけを求めるならSBができる選手を置けばいいわけで、自分が使われている意味を考えると、やっぱり攻撃の部分で、最後のところに絡むとか、僕はそう勝手に思っています。相手にとって脅威になるようなプレーができる選手にならなければいけない。そのなかでも、しっかりとした守備でチームの"穴"にならないようにしたい」

 中3日の連戦が続くが、「思ったよりも良い状況で来ていますし、身体の疲れもうまく取れている感じです」とコンディションも良好だ。次節の相手はジュニアユース、ユース時代を過ごした浦和で、チームを率いる大槻毅監督にはユース時代に指導を受けた。

「恩返しする意味でも、今の自分はこれだけできるんだっていうのをしっかり出して、チームとして勝てるようにしたい」

 前節の横浜戦では、両チーム通じて最多のスプリント回数(32回)をマーク。浦和戦でもアグレッシブに左サイドを駆け回り、4試合ぶりの勝点3をもたらすような働きができるか注目だ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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