「1人でミランを変えた」「別格のカリスマ」イブラヒモビッチを現地識者が絶賛!

2020年07月22日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

1月に復帰するとチームを根本から変える。

ミランを復活させたイブラヒモビッチ。写真:Getty Images

 ミランが好調だ。再開後のセリエAでは7勝2分けの無敗。2020年に稼いだ勝点38は、アタランタの勝点43に次ぐリーグ2位の数字だ。
 
 今シーズン前半戦は監督交代(マルコ・ジャンパオロ→ステーファノ・ピオーリ)するほど不振だったチームが、一気に上昇気流に乗った感がある。その最大の立役者は、やはりズラタン・イブラヒモビッチだ。
 
 今年1月に約7年半ぶりにミランに復帰した元スウェーデン代表FWは、38歳ながら相変わらずのクオリティーを証明。そのリーダーシップを含めて、ミランを劇的に変えてみせたのだ。
 
 好評発売中の『ワールドサッカーダイジェスト7月16日発売号』でも、現地識者たちがそのパフォーマンスを絶賛している。現役監督のロベルト・ロッシ氏、6月までトリノでスタッフを務めていたアントニオ・フィンコ氏、現地ジャーナリストの片野道郎氏という3人の識者が、オンライン座談会で「ベスト50」を選出し、ポジション別の部門賞とシーズンMVPを決める「セリエA ベストプレーヤー」企画で、1月の加入組では唯一、セリエAのベスト50人に選出されたのだ。
 
 片野氏が「ロベルト(ロッシ氏)は、イブラヒモビッチもベスト50候補にノミネートしていますね。年明けからの加入でしたが、ミランに与えたインパクトの大きさは戦術的にもリーダーシップという点でも、確かに特筆ものでした」と話を振ると、ロッシ氏はこう続けた。
 
「38歳だからもちろん運動量は少ないし、守備の貢献も期待できない。ただ、存在感とカリスマはやはり別格だ。実際、イブラヒモビッチ加入でミランはガラッと変わり、混迷のまま終わるかに思われたシーズンが一気にポジティブな方向にひっくり返った。出場10試合で4ゴール・2アシスト(座談会の実施当時。7月22日現在では15試合出場で7ゴール・4アシスト)と数字的にはそこだけど、攻撃をオーガナイズする『ラスト30㍍のレジスタ』としての貢献は際立っている。もし資格があるならば、ベスト50人に入ってしかるべきだ」
 
 さらにフィンコ氏も、次のようにコメントした。
 
「38歳でアメリカから戻ってきた1月には、『ミランは終わった選手にすがろうとしている』なんて批判もあった。でも私は、まったく逆の意見でね。今シーズン前半のミランは、チームとして明確なアイデンティティーを持っていないだけでなく、中核となる求心力を持ったリーダーも欠いていた。だから攻撃をオーガナイズし、圧倒的なカリスマでチームを引っ張るイブラヒモビッチのような存在こそが、ミランには必要だったのだ。そして、実際に彼はたった1人でチームを変えてみせた」
 
 ミランは濃厚とされていたラルフ・ラングニック(現レッドブル・グループ統括責任者)の招聘を取り止め、来シーズンもピオーリ体制を継続することを7月21日に発表。これでラングニック招聘に懐疑的だったイブラヒモビッチも残留に傾くと見られている。残り3試合となった今シーズンが終了してから、クラブとイブラヒモビッチは今後について話し合いの場を持つと言われている。
 
構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
 

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