【C大阪】今季初黒星で浮かび上がったボランチ藤田直之の重要性。指揮官に求められる代役の人選

2020年07月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

昨季から続く得点力不足と同様に大きな課題に…

C大阪の中盤の底を担う33歳の藤田。ゲームメーカーとして、その存在は大きい。写真:田中研治

[J1リーグ4節]C大阪0-2名古屋/7月12日(日)/ヤンマースタジアム長居

 リーグ再開後に好調な滑り出しを見せていたセレッソ大阪が、再開後初めての有観客試合で新たな課題を突きつけられた。4026人のサポーターが駆けつけた名古屋グランパス戦は、0-2の完敗で今季初黒星。開幕からの連勝は「3」でストップし、首位から陥落した。

 38分にCKからオウンゴールで先制され、かつ名古屋の守備陣をなかなか崩せない展開に、ロティーナ監督は普段よりも積極的な交代策に打って出た。後半開始から豊川雄太、52分には都倉賢とルーカス・ミネイロを投入。そして61分に柿谷曜一朗、70分には片山瑛一を送り出して早々に交代枠を使い切った。だが、流れを思うように引き寄せられず、逆に名古屋に2点目を奪われ突き放された。裏目に出た采配のひとつが、藤田直之とL・ミネイロの交代だった。

 左足からテンポの良い球出しをする新加入のL・ミネイロは、今季最も長い出場時間を与えられたが、持ち味を発揮することができない。61分には自陣でボールの処理に失敗し、そのミスが2失点目に直結。周りとの連係面でも不安定さが目立った。

 試合後、この交代の意図を問われたロティーナ監督は次のように説明した。

「アイデアとしては、彼(L・ミネイロ)はボールを早く動かすことが得意で、その特徴を出してほしかったこと。また、ナオ(藤田)に疲れが見え始めたこと。そして、セットプレーでの高さも必要としていたので起用しました。逆転できなかったことから、この交代が良くは映らないかもしれないが、そういった意図がありました」
 
 藤田を欠いてから明らかにパスワークのリズムが悪くなったことを踏まえれば、指揮官の思惑は外れたと言わざるを得ない。また、ゲームメーカーとして藤田の存在の大きさを改めて感じさせられたことも事実で、ボランチの層の薄さを露呈する形となってしまった。

 本来なら、新加入のL・ミネイロらはルヴァンカップの出場などを通じて、指揮官の求める戦術などを徐々に理解していくはずだった。だが、新型コロナウイルスの影響で日程が変則になり、再開後はリーグ戦が過密日程で続いていく状況となった。33歳の藤田をずっと使い続けていくことは不可能で、その代役は必要不可欠。だが、その役回りをできる選手がいないのがC大阪の実情だ。

 藤田が離脱していた開幕戦では木本恭生がボランチとして起用されたが、パスワークには不安を残した。この名古屋戦で分かったように、ソウザと入れ替わる形で加入したL・ミネイロもまだ完全にはフッィトしておらず、その次の候補は若い中島元彦や喜田陽らになってくる。

 昨季から続く得点力不足と同様に、この課題をどう克服していくのか。瀬古歩夢や奥埜博亮のボランチ起用も選択肢としてある中、指揮官の起用法が注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 

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