【名古屋グランパスの最新序列】金崎夢生と前田直輝に指揮官も期待大!GKは現状ランゲラック一択か

2020年07月11日 今井雄一朗

2列目は量、質ともに充実してきた

名古屋の最新序列。②=2種登録。(C)SOCCER DIGEST

 2月の開幕から、コロナ禍での約4か月の中断期間を経てJ1リーグも7月4日から再開された。"第2の開幕"とも言える、第2節、3節の2試合を終え、チーム内でも変化が生じている。スタメン争いの構図や今後の台頭が予想される若手などを踏まえ、名古屋グランパスの最新チーム内序列を紹介していく。

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【FW】
 清水、G大阪との再開2戦の起用を見れば、金崎夢生と前田直輝への指揮官の期待を感じずにはいられない。これまでは山崎凌吾を据えた連係構築に時間をかけてきた感もあったが、より攻撃のスピード感の方に主眼を置き始めたようにも見える。

 その意味での第一候補は、コンディションが戻れば守備面での貢献も計算でき、ポストプレーとペネトレーション両面に優れた金崎が濃厚。前田については阿部と組んだゼロトップ気味の使い方や、山崎凌吾との2トップという選択肢もあり、使う選手によって特徴を変えながら戦える構成力が前線には生まれつつある。ゆえに序列というよりも、試合で何が狙いになってくるか、相手の何を封じ、どのウィークを突きたいかによって、組み合わせを選択することになりそうだ。

【MF】
 まずボランチの人選については米本拓司、稲垣祥、ジョアン・シミッチのローテーションという傾向が出てきている反面、シミッチは空中戦の強さというスペシャリティがあり、そこを買われての起用も今後は増えそうな印象。長谷川アーリアジャスールが復帰してどのポジションを担うかは不明だが、今季の連戦を3枚で回すのは厳しいだろう。

 サイドハーフは前田直輝、マテウス、相馬勇紀の三つ巴のポジション争いに、新人の石田凌太郎がどこまで食い込めるか。阿部浩之の独壇場かと思われたトップ下では、G大阪戦で結果を残したガブリエル・シャビエルの台頭がチームに良い刺激を与えている。これにより阿部のサイドハーフ起用というオプションも生まれ、2列目は量、質ともに充実してきたと言っていい。
 
【DF】
 CBは屈強でタフな中谷進之介と丸山祐市のコンビで鉄板だが、先を見据えれば藤井陽也の実戦経験も何とか積ませておきたいところ。他ポジションに比べてやや疲弊しにくいところはあるが、連戦の中で思い切った起用があるか注目だ。

 SBは太田宏介、宮原和也のスタメンクラスが離脱中で、現状は右が成瀬竣平、左が吉田豊というのがベターチョイスに。ここ2戦では成瀬に代えて秋山陽介を入れ、吉田豊を右にスライドさせる形が見られるが、コンディショニングの観点から秋山を左でスタメン起用するパターンも出てきそうだ。2列目の石田もSBをこなせるため、カップ戦含めたマネジメントの中ではより横断的な選択が、サイドDFのセクションでは見られる可能性もある。

【GK】
 現状ではランゲラック一択というのが指揮官の起用法からも読み取れる。もちろん第2GKの武田洋平も相当の実力者のため、カップ戦では連戦対策としても入れ替えは予想されるところだ。トレーニングでは渋谷飛翔も着実な成長を見せており、今後は"ランゲラックの控え"というポジションでの争いが活発化するやもしれない。

 新人の三井大輝は基礎的な部分で先輩らに後れを取ることが多く、練習試合などでも出番が得られていない状態。しっかりと下積みをし、まずはポジション争いの舞台に立つことがルーキーイヤーの目標になってきそうだ。

取材・文●今井雄一朗(フリーライター)
 
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