「アムステルダムに帰れと言われ…」元オランダ代表10番が告白した“恩師”モウリーニョとの秘蔵エピソード

2020年07月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

「モウリーニョは自ら法律を作り、選手たちもそれを愛していた」

モウリーニョ(左)とは相思相愛の関係性にあったスナイデル(右)が恩師との秘話を明かした。 (C) Getty Images

 かつて世界的名手として名を馳せたヴェスレイ・スナイデルにとって、ジョゼ・モウリーニョは、"スペシャル・ワン"だ。

 2003年に母国の名門アヤックスでプロキャリアをスタートさせたスナイデルは、昨年8月に現役を引退するまで、洗練されたテクニックと両足から繰り出す高精度のパスを武器に一時代を築いた。

 そのキャリアのハイライトは、インテルに移籍した09-10シーズンだろう。モウリーニョ監督の薫陶を受けたオランダの司令塔は、不動のトップ下として、イタリア初の3冠達成(チャンピオンズ・リーグ、セリエA、コッパ・イタリア)の原動力となった。

 師事したのは1シーズンだけであったが、共に偉業を達成した恩師への想いは今も変わらない。英紙『The Sun』によれば、元オランダ代表MFは、自伝の中で、「モウリーニョは自ら法律を作り、選手たちもそれを愛していた」と綴った。

「彼は僕らを上手く扱う術を知っていた。試合の時はあらゆることを要求してくるけど、ピッチを離れれば、何をしても咎められることはなかった。自由を与えてくれたんだ。きっと僕らが外で何をやっているかを知っていただろうけどね」
 
 さらに「彼はクラブが強制する時以外の服装も自由にしてくれた。『君らはフットボーラーであり、ファッション人形じゃない』ってね。重要なのはハードな練習と集中力の維持と楽しむことだった」と語り、モウリーニョとのエピソードを明かした。

「ある時、僕は彼に『アムステルダムに帰るべきだ。今すぐ飛行機に乗れ』と言われたことがあった。僕がミラノにいたから、彼女と遠距離になっていたことを知っていたんだよ。ジョゼは『数日間、会ってこい。金曜日に戻ってきてくれたらいい』と離脱許可をくれたんだ。

 それでも、僕が『でも、ボス。土曜日には試合がある』と言ったら、『その通りだ。でも、君は私のためにプレーする気になるだろ?』って返してきてね。本当になんて素晴らしいボスだろうと思ったよ。僕とジョゼは最高の関係だった」

 そのキャリアで幾人もの名将たちに師事してきたスナイデルだが、"スペシャル・ワン"は、やはりモウリーニョのようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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