【CLプレビュー企画】パリ・サンジェルマン対チェルシー――劇的な結末を迎えた昨シーズンの準々決勝

2015年02月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

1戦目で“自滅した”チェルシーの反撃は厳しいと思われたが…。

敏捷性と正確な技術で先制点を奪ったラベッシ。 (C) Getty Images

 チャンピオンズ・リーグはいよいよノックアウトステージへ突入する。2月17日から決勝トーナメント1回戦は始まるが、8つの戦いのなかで屈指の好カードと言えるのが、17日に行なわれるパリ・サンジェルマン対チェルシーだ。
 
 国内リーグではリヨン、マルセイユの先行を許しているパリSGが、プレミアリーグで首位を維持するチェルシーを迎え撃つ。ロラン・ブラン、ジョゼ・モウリーニョの両監督は口を揃えて「難しい試合になる」と語っており、スター選手揃いのチーム同士による激戦が展開されるのは必至だ。
 
 今シーズン、チェルシーからパリSGへ移籍したDFダビド・ルイスにとっては感慨深いカードであり、第2戦でスタンフォード・ブリッジのピッチに再び立つことを楽しみにしているという。もっとも、古巣へのノスタルジーだけでなく、「昨シーズン、我々は負けているのでリベンジを果たしたい」と現在の敵に対するメッセージも忘れていない。
 
 さてその昨シーズンだが、両チームは準々決勝で対戦した。2004-05シーズン以来、2度目の欧州の舞台での対峙となったが、その2つの戦いは熾烈を極め、また結末は劇的なものだった。
 
 第1戦は今回同様、パリSGのホーム、パルク・デ・プランスで行なわれた。試合はわずか4分で動く。エセキエル・ラベッシがジョン・テリーのクリアを胸で受け、左足でボレーシュートを決めて、ホームチームに先制点をもたらした。
 
 いきなりリードを許したチェルシーだったが、27分にオスカールがチアゴ・シウバに倒されてPKをゲット。これをエデン・アザールがGKの逆を突いて同点とするとともに、貴重なアウェーゴールを挙げることにも成功した。
 
 ホームでの勝利は必須のパリSGは攻撃を強めるが、待望の勝ち越し点は思わぬかたちでもたらされた。61分、左サイドのFKがチェルシー・ゴール前に入ると、ボールは選手の壁を通り抜け、ダビド・ルイスの足に当たってゴールラインを割ったのである。
 
 ハイライトはロスタイム。右サイドでボールを受けたハビエル・パストーレが細かく技巧的なドリブルで2人のDFを置き去りにしてシュートを放つ。ボールはGKペトル・チェフとゴールポストのわずかな間を抜け、パリSGが3点目を挙げた。
 
 大黒柱のズラタン・イブラヒモビッチが太股を痛めて途中退場するというアクシデントはあったが、ブラン監督は「選手は全力を尽くしてくれた」と先勝に満足気。一方のモウリーニョ監督は「守備のミスでみすみす相手の得点に協力してしまった」とうなだれ、「2戦目の逆転はありうる」と語ったものの、状況的には厳しいと思われていた。

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