本田圭佑所属のボタフォゴ、無観客試合でチケット1万2000枚超を売り上げ!サポーターが窮状を救う【現地発】

2020年07月05日 リカルド・セティオン

チームスタッフの給料が2か月遅延

本田の加入に熱狂したボタフォゴのサポーター。クラブへの想いは人一倍だ。(C)GettyImages

 7月1日に行われたリオデジャネイロ州選手権のボタフォゴ対ポルトゲーザ戦。スコアレスドローに終わったこの一戦は、新型コロナウイルスの流行でもちろん無観客で行われたが、実はチケットが発売されていた。

 本田圭佑が所属するボタフォゴは、以前から財政難に陥っている。コロナ禍でここ数か月はほぼ無収入の状態が続き、チームスタッフの給料が2か月遅延するなど、状況はかなりひっ迫している。そこでクラブは、サポーターの力を借りようとこの一戦の"バーチャルチケット"を発売した。

 チケットの値段は、ボタフォゴカードの会員は1枚4レアル(80円)、非会員は7レアル(140円)で、複数枚がセットになったパックもある。インターネットから簡単に買うことができ、購入者には記念のバーチャルチケットの画像がメールで送られる。

 最終的にはチケットは1万2620枚以上が売れ、5万レアル(約100万円)の売り上げとなった。クラブは公式ツイッターで、「バーチャルチケットを買ってくれた皆さん、本当にありがとう! これでチームのスタッフを助けることができます」と、感謝のメッセージを送っている。
 
 ちなみに、ポルトゲーザ戦が行なわれたルソ・ブラジレイロ・スタジアムのキャパシティーは6000人。もし、これだけのファンが実際に観戦に訪れたら、スタジアムに入りきれなかったことになる。

 バーチャルチケットの発売はこれが初めてではなく、パンデミックでリーグが中断していた時にも行なわれた。グローボTVで1995年のブラジル全国リーグのボタフォゴ対サントスの試合が再放送された際に、チケットを発売。この時には約1万7000枚が売れ、15万レアル(約300万円)の売り上げとなった。

 ボタフォゴサポーターのサイトは、「我々ほどチームを愛しているサポーターはいない」と胸を張っている。

 7月3日、選手に4月分の60パーセントの給料が支払われた。140人のチームスタッフのサラリーも、2日にようやく3月分が入金された。その一部は、サポーターのおかげで賄うことができたのだ。

文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。
8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。

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