鮮烈2発でセレッソがガンバを撃破! 17年ぶりに敵地で大阪ダービーを制す!

2020年07月04日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

ガンバは攻撃の単調さが顕著で…

C大阪は丸橋(25番)のダイレクト弾で先制。試合を俄然優位に進めた。写真:田中研治

[J1リーグ第2節]G大阪 1-2 C大阪/7月4日/パナスタ

 キックオフの数時間前からスタジアム周辺に漂う緊張感も、サポーター同士のつばぜり合いも、先発発表で交差する歓声とブーイングも、この日は当然のごとく封印された。

 入場のド派手な演出もなく、パラパラとピッチに登場する選手たち。遠藤保仁のJ1出場最多記録更新のセレモニーはなく、チームメイトたちが偉業を称えるTシャツを着込んで敬意を示したのみだ。J1で39回目(通算では49回目)の大阪ダービーは、例えようのない静寂のなかでスタートした。

 久々のゲーム感覚を確かめ合うように、両チームともに慎重な試合運びを見せる。G大阪は遠藤と倉田が、C大阪は主に清武が起点となってパスワークで揺さぶるが、双方とも高い位置でのプレッシングは敢行せず、専守防衛のスタンスを維持。なかなか効果的なボールが前線に入れられず、チャンスらしいチャンスも訪れない。18分にC大阪のL・デサバトが放った当たりそこないのミドルが最初の枠内シュートだった。

 20分過ぎのクーリングブレイクを経て、にわかに攻勢を強めたのがG大阪。2トップの宇佐美とアデミウソンが敵陣深くで前を向く機会が増え、徐々にコンビネーションプレーを多発させていく。とはいえ、2列目やサイドと絡む分厚い攻撃には発展せず、C大阪は想定通りとばかりに決定機を掴ませない。

 すると徐々にライン間をコンパクトに保つC大阪にペースが移る。手数を掛けずに早めに都倉に当て、しっかりシュートにまで至る攻撃を推進。リスタートでも見せ場を作るようになり、前半アディショナルタイム、ついに均衡を破る。清武の鋭いパスに抜け出した丸橋が左サイドをえぐってグラウンダーのクロスを折り返し、待ち構えた奥埜が左足のダイレクトショットを叩き込んだ。電光石火の一撃で先制に成功した。

 
 後半開始からギアを上げたホームチーム。47分に倉田がエリア内で決定的な場面を迎えたのを皮切りに、ロングカウンターから藤春がシュートを放つなど、にわかにペースを奪い返していく。54分には矢島、遠藤に代えてパトリック、井手口を投入して活性化。宮本監督が早々に仕掛けた。

 だが、次の1点を奪ったのはC大阪だった。62分、速攻から好機を迎え、清武が後方に流した球を走り込んだ丸橋が左足でインパクト。GK東口にとってはノーチャンスの25メートル弾が突き刺さり、リードを広げた。

 G大阪も諦めない。木本のハンドで得たPKをアデミウソンがきっちり決めて1点を返す。さらにその直後、宮本監督は倉田に代えて小野を投入してピッチにメッセージを送ったが……。攻撃の単調なリズムは最後まで改善されなかった。

 C大阪はロティーナ流の守備戦術を強化し、見事な連動性でG大阪にスペースを与えず逃げ切りに成功。J1でのダービー戦績を11勝5分23敗とし、敵地で実に17年ぶりとなる白星を飾った。

取材・文●川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
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