インパクトなしのデビュー戦も… 南野拓実が見せたチームへの献身

2015年02月16日 山口裕平

「あまりにもオドオドし、ビクビクしていた」と現地紙。

持ち前のアグレッシブなプレーが影を潜めた南野。シュート0本に終わった。(C) Getty Images

 南野がザルツブルクに渡ったのは今年初めのこと。加入当初からチーム内で確かな存在感を放っていた南野は、あれから1か月ほどの間で実力を認められ、国内リーグ再開初戦で先発出場を果たした。
 
 しかし、デビュー戦での南野のパフォーマンスは低調に終わり、63分にチーム最初の交代でベンチに下がることになってしまった。チームは2点を奪って勝点3を獲得したが、南野が勝利に貢献することはできなかった。
 
 この日、南野はどんな印象を残したのだろうか?
 少なくともあまりポジティブなものではないだろう。南野は効果的に攻撃に絡むことができず、シュートも0本に終わった。南野自身も
「(自分に合格点は)全然あげられないっすね。(中略)もっとやっていかないといけない」と自身の出来に満足できていない様子だった。
 
 まだ欧州ではなんの実績も残していない新加入選手とはいえ、今冬ドルトムントに移籍したMFカンプルの後釜として期待されているだけに要求される水準は高い。現地紙『クーリエ』など「あまりにもオドオドし、ビクビクしていた」と厳しい評価もあった。
 
 しかし、なぜ南野はその力を示せなかったのだろうか? 理由はふたつ考えられる。
 
ひとつは単純に「慣れ」の問題だ。試合後、南野は「それ(「慣れ」の問題)は大きいと思いますね」とまだチームのやり方に十分に馴染めていないことを素直に認めた。それも当然だろう。ザルツブルク加入からまだ1か月、公式戦はこの日が初めてだったのだから。
 
チームに加入して間もない頃、「練習はあまり関係ない」と言っていた南野は、この日初めて実戦の難しさを体験することになった。南野の要求に対して味方からパスが出てこないなど、当然チームメイトとの連係やお互いの理解など、改善すべき点は山ほどある。
 
「そんなに時間はないと思っている」と南野は危機感を抱くが、この点は試合を重ねていけば改善されていくはずだ。

次ページ2月19日のヨーロッパリーグでは結果が求められる。

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