【J1展望】川崎×鹿島|“新布陣”導入の川崎と“新戦術”浸透を図る鹿島。ここ4シーズンの成績は川崎有利も…

2020年07月03日 サッカーダイジェスト編集部

川崎――4-3-3の出来は果たして…

故障者/鹿島=なし 川崎=中村、小林
出場停止/鹿島=なし 川崎=なし

J1リーグ2節
川崎フロンターレ―鹿島アントラーズ
7月4日(土)/19:00/等々力陸上競技場
 
川崎フロンターレ
今季成績(1節終了時):11位タイ 勝点1 0勝1分0敗 0得点・0失点
 
 シーズン開幕時と同様に、中断期間でも力を入れてきたのは、今季から導入した新布陣4-3-3の理解度を高める作業だ。"攻守で圧倒する"をテーマに採用したこのシステムは、従来のポゼッションを軸としたいわゆる"遅行"に加え、3トップに素早くボールを入れる"速攻"も可能にし、攻撃のレパートリーを広げそうだ。
 
 また守備では最終ラインを例年より高く設定し、相手を敵陣へ押し込むことを目指す。その分、広大に広がった自陣スペースをGKがカバーしなくてはいけないが、守護神チョン・ソンリョンは新たな役割にも「ポジティブに捉えながら意識して練習しています」と前向きに話している。
 
 6月2日に活動を再開させたチームは、約1か月の準備期間で4つのトレーニングマッチを実施し、全勝。相模原、町田らを相手に3試合でクリーンシートも達成しており、順調な強化を進められている様子だ。大卒ルーキーの旗手玲央や、アカデミー育ちのFW宮代大聖が好調をアピールしているのもプラス材料だろう。
 
 6月27日の湘南との練習試合(45分×4本)はトータルスコア6-3と、3失点を喫したが、今季からキャプテンを務める谷口彰悟は「できたところと修正点が見つかったので、良い練習試合だったと思います」とも語る。
 
 6月15日に小林悠が右膝を手術(全治3~4週間)し、昨年、左膝にメスを入れた中村憲剛もリハビリ中。精神的支柱ふたりを欠いてのリーグ再開となるが、鬼木達監督は「(谷口)彰悟を含め、(大島)僚太もそうですし、最年長のアキ(家長昭博)らを中心に練習が終わった後などにも話をしてくれています。選手間でのミーティングもかなり増えてきたので、大きな心配はしていません。ふたりには治療に専念してもらい、良い状態で戻ってきてもらいたいです」とコメント。選手層の厚さが窺える。
 
 谷口も「確かに憲剛さん、悠さんと、今、一緒にトレーニングできていませんし、その2人の存在は大きいなと感じています。ただ現状から言うと、若い選手も含めて誰もが意欲を持ってトレーニングを積んでいます。緊張感が足りないとか、試合に向けてエネルギッシュさが足りないということは感じていません」と雰囲気の良さを強調。
 
 もっとも谷口が懸念するのは無観客、5人交代制などイレギュラーなルールの影響で「試合の流れが一気に変わることは、今年は十分にありえます」という。続けて「練習試合のようにはいかないので、練習試合と同じようにやるつもりはないです」とも口にする。
 
 果たして4-3-3を採用したチームはどんな進化を見せてくれるのか。楽しみとともに、何が起こるか分からない不安を抱えながら、ここ4シーズンのリーグ戦では5勝3分けと分は良いが、難敵の鹿島との一戦に臨む。
 
構成●サッカーダイジェスト編集部
 
 
 

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