「殴ればよかった…」元イタリア代表MF、2002年W杯・韓国戦の主審への怒りを忘れず「人生から消し去りたい」

2020年06月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

のちに麻薬事件で逮捕

モレノ主審(左)について語ったのがディ・リービオだ。(C) Getty Images

 イタリアの人々は、決して忘れられないだろう。

 18年前の6月18日、日韓ワールドカップ(W杯)のラウンド・オブ16で、イタリアはホスト国のひとつ韓国に敗れた。ゴールデンゴール方式の延長戦で、アン・ジョンファンのヘディングに沈められた。

 だが、この試合で数々の判定が物議を醸したのは有名だ。特に、ペナルティーエリア内で倒されたフランチェスコ・トッティが、シミュレーションの判定で退場を命じられたことは議論を呼んだ。

 笛を吹いたバイロン・モレノ主審は、イタリア国民の"敵"となった。のちに麻薬事件で逮捕されたこともあり、モレノにはつねに冷たい視線が向けられる。
 
 18年という年月が過ぎても、それは変わらない。『ITA Sport Press.it』によると、2002年W杯メンバーのひとり、元イタリア代表MFのアンジェロ・ディ・リービオは、モレノを「自分の人生から消し去りたい人物」とこき下ろしている。

「あの試合ではあらゆることがあった。得点が取り消され、オフサイドの笛が吹かれ、PKが与えられず、トッティが退場になった。本当に恥ずべきことだった。トッティは明らかなファウルを受けたのに、主審は彼に(2枚目の)イエローカードを出して退場にしたんだ。裏に腐ったことがあるのが分かるだろう。我々の次はスペインにも同じことがあった」

 さらに、ディ・リービオは「たまに路上で会う人から『どうして殴らなかったんだ?』と言われたりするんだ」と続けた。

「おそらく自分が除名処分となるのが怖かったんだろう。でも、何度もそのことを考えたよ。当時のわたしは36歳だった。やってもよかったのかもしれない……」

 もちろん、それは許されることではない。だが、それほどまでにディ・リービオは怒りを覚えたのだろう。彼やイタリアの人々が2002年の出来事を忘れることはないようだ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
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