「熱中症の一歩手前」。長谷川監督が現役時代を踏まえて語った“夏場の過密日程”

2020年06月17日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

降格なしの特別ルールに関係なく「勝負にこだわりたい」

リーグ再開に向けて準備する長谷川監督。アウェーの柏戦で白星を掴めるか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 2020年6月17日、柏との再開初戦(7月4日)まで2週間半というタイミングでFC東京の長谷川監督がオンラインでの囲み取材に応じた。「チームの仕上がりはまだまだ」と現状についてまず触れた指揮官は、続いて先日決まったスケジュールについてもこうコメントしていた。

「始まってすぐは関東勢同士の対決。力のあるチームとの連戦で、非常にタフな日程だなというふうに感じました。8月も連戦があり、総合力が問われるシーズンになると思っています。その意味では離脱者を如何に出さないかがポイントになると考えています」

 確かに柏戦のあとの対戦相手も、7月8日に川崎、12日に横浜、18日に浦和といわゆる強豪クラブが続く。「タフな日程」という長谷川監督のコメントは十分に頷けるものだった。現役時代に週2試合という過酷なスケジュールを経験している長谷川監督は、当時を振り返り「夏場も週2試合で延長Vゴール、PK戦までありました。最後のほうはヘロヘロ。頭が働かないとうか、熱中症の一歩手前でした」と告白している。こうしたスケジュールも考えながら、チーム作りを進める指揮官の目に、選手の状態はどう映っているのか。

「選手個人ではベテランがまだ始まって間もないということもあって出来上がっていない印象です。ただ、まだ2週間ちょっとありますので、経験値が豊富な彼らはしっかりと再開に向けて合わせてくれるはずです。チームビルディングについては、一旦は開幕しているので、確認作業が主なところになると思っています。永井(謙佑)が(怪我から復帰して)戻ってきたので、その謙佑をどうチームに融合させるかは考えていきたいです。

今季は新しいシステム(4-3-3)というか、やり方にチャレンジしているので、当然、まだ始まった段階で中断になりましたので、すべてを落とし込めているわけではない。ですので、落とし込みの部分、やれていた部分を思い出す。さらに新たな選手をどう融合させていくのか。もちろん、ひとつのシステムだけで戦い抜けるわけではないので、オプションも増やしていかないといけません」
 
 昨季とは若干ながら違う動き方を求めていて、そのギャップも考えるとなかなか完成形には近づかない。それでも、「ポテンシャルのある選手たちなので、身体が動いてくればこなしてくれるはず」と長谷川監督は期待を抱いている。

 「降格なし」の特別ルールだからこそ、勝負にこだわりたいという。「育成とか、経験とか、そういう言葉で逃げたくないですし、そういうチームでもない。あくまで我々は結果にこだわって、そういう姿勢をファン・サポーターにお見せしたいと思います」。

 目指すはクラブ史上初のリーグ優勝。指揮官の熱い言葉からは、そうした決意が感じ取れた。

構成●サッカーダイジェスト編集部
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