【川崎】アンカーへの挑戦。成長著しい田中碧が醸すスケールアップの予感

2020年06月13日 本田健介(サッカーダイジェスト)

活動休止期間は「効果的に充実した時を過ごせた」

笑顔でトレーニングに励む田中。今季はアンカーに挑戦している。(C)SOCCER DIGEST

 6月12日、川崎の田中碧が練習後にオンライン取材に登場した。

 チームは6月2日に約2か月ぶりに全体練習を再開。田中は「実戦的なトレーニングは1週間半くらいやりましたが、最初の頃は相手がいるなかでの技術的なズレが多少ありました。ただ、今はだいぶ、感覚は合ってきているかなと思いますね。チームも色々やっていますし、自分にフォーカスしてやれています」と現状を話す。

 川崎は今季から新ステム4-3-3を導入。中盤3枚は「インサイドハーフ2枚+アンカー」の構成で、ボランチが主戦場の田中はアンカーに挑戦中だ。

 中断前の公式戦2試合には揃って先発。新型コロナウイルスの影響でチームが活動を休止している間には、新ポジションへの理解度を深める取り組みも行なってきたという。

「これまではシーズン中に、なかなか多くの時間を取れることはなかったので、サッカーの勉強を含めて色々やったつもりです。今はそれをどうやってピッチで表現するかという段階なので、効果的に充実した時を過ごせたなと感じていますね」

 具体的にはフィジカルメニューや、以前から興味があったというヨガを取り入れつつ、「マンC(マンチェスター・シティ)やリバプールの試合を観ましたし、ペップ(ジョッゼップ・グアルディオラ)のインタビューや本を読みました。プレーの選択肢、概念を根本的に勉強した形ですね。様々なチームのアンカーが、ボールを受けなくても、どういう振る舞いをするかなどを意識的に観察していました」と振り返る。
 目指すのは新たな"アンカー像"だ。前線を追い越すフリーラン、果敢な持ち上がりなどダイナミックなプレーが特長の田中は「フロンターレでの考え方として普通のアンカーでないと思う」と話し、「チームに求められている動きプラス、自分で考えていることをやりたい」と意気込む。

「昨年は2ボランチでしたし、自分がボールを触ることが大事だと思っていたんですが、色々、勉強して自分がどういう位置でサッカーをすることが大事か すべてをできているわけではないですが、少しずつやっている段階なので、それをピッチで示したいです」

 来年に延期された東京五輪、そしてその後のワールドカップを目指すボランチは、7月4日のリーグ再開後、より進化した姿を見せてくれそうだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部) 

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