【川崎】新システムのキーマンへ。“左の槍”長谷川竜也に求められるタスク

2020年06月09日 本田健介(サッカーダイジェスト)

4-3-3の手応えは上々

リーグ再開に向けてトレーニングを続ける川崎。長谷川もコンディションを上げている。(C)SOCCER DIGEST

 6月9日にトレーニングを行なった川崎で、MF長谷川竜也がオンライン取材に登場した。

 7月4日のJ1再開へ向け、準備が進むなか長谷川は「どこを目指せば良いのか分かったのは大きい」と精悍な顔つきでリスタートへ意気込む。

 新型コロナウイルスの影響で約2か月続いたチームの活動休止期間では、ストイックで知られる164センチ・60キロのアタッカーは、新たな身体作りに励んできたという。

「筋トレというか、今まで取り入れてなかったトレーニングをやってきました。どうしても筋力が落ちてしまうので、ただ落ちてしまうからといって、適当に付ければ良いというわけではありません。どこが弱いかを把握して、自分にどんな変化が生まれるのかを計算したうで、いろんな人に訊きながらトレーニングをしました」
 
 今季、新システム4-3-3を導入したチームで、長谷川はまずまずのシーズンインを見せていた。3トップの左ウイングで、持ち前のスピードをとドリブルを活かして存在感を示すと、ルヴァンカップの清水戦(〇5-0)、リーグ開幕戦の鳥栖戦(△0-0)では揃ってスタメン出場し、清水戦では2ゴールをマーク。ともに先発したCFレアンドロ・ダミアンとの連係も光った。

「ダミアンが中で良い状態でいたら、一番の選択肢としてそこを狙っているので、基本的にはダミアンのポジショニング、スペースがあるかないかをまず見ています。ダミアンの特長は分かっているので、どういったボールが良いか決めていて、自分が合わせられればさらにコンビネーションはよくなると思います」

 CFには得点感覚に秀で、経験も豊富な小林悠、高い潜在能力を有す宮代大聖も控えており、彼らを含めてさらなる可能性を感じさせる新システムに関しては、「自分としては手応えを感じていますし、行きやすいなと思っています。ただより結果を出さないといけないポジションにもなったと理解しているので、今後はより結果に結びつく役割を求められるはずです。もっともそれは自分にとってはありがたいことです」と語り、表情を引き締める。

「4-3-3だとサイドと真ん中の選手の距離が遠くなってしまうことがよくあり、鳥栖戦でも遠いなと感じた部分がありました。距離間は今、すごく意識しています」

 鬼木達監督もこの再開への準備期間で、4-3-3の成熟度を高めたいとの考えを示している。コンビネーションを上げ、さらなる攻撃サッカーの構築を目指す――左からの崩しの切り札となる長谷川に求められる働きはより重要度を増しそうだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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