【J再開後の注目株|金沢】ビルドアップやコーチングで存在感。20歳のCB石尾崚雅が新たなディフェンスリーダーに

2020年06月06日 サッカーダイジェスト編集部

全試合出場という目標は変わらずフル稼働の構え

プロ2年目の今季を「勝負の年」と位置付ける。まだ粗削りな部分はあるが、思い切りの良いプレーで飛躍を遂げたい。写真:徳原隆元

 スタメン定着を狙い、チームの上位進出の原動力になることを期すプロ2年目だ。

 主戦場はCB。ルーキーイヤーの昨季は、山本義道(現・横浜)と廣井友信の牙城をなかなか崩せなかったが、シーズンの終盤に先発の座を奪取した石尾崚雅は、確かな手応えを得た。加入当初は苦手としていたヘディングもコツを掴んで改善。柳下正明監督からもその成長を認められた。

 対人の強さが大きな魅力で、今季は新たにCBからのビルドアップに注力するチームにおいて、それを苦手としない石尾は貴重な存在だ。全体練習が再開した今、昨季までのチームの決まり事を守りつつ、ビルドアップのやり方もしっかりと頭の中で整理して準備を進めている。

 まだ20歳と若手の部類に入るが、積極的なコーチングも意識するなど、主要メンバーとしての責任を自覚しているようだ。新戦力の山田将之とのコンビも安定感があり、新たなディフェンスリーダーとして期待が高まる。

 昨季に山本によく連れて行ってもらった焼肉屋があり、横浜に新天地を求めた山本からは「(俺たちの原点であるこの店を)後輩に継承するように。今度はお前が後輩を連れて行け」と言われていた。先輩の助言どおり、石尾は開幕前の宮崎キャンプから金沢に戻ると、母校の興国高の後輩でルーキーの田路耀介と高安孝幸をさっそく連れていったという。コロナ渦以降、そのお気に入りの店に行けておらず、「マジ、焼肉食いたいっす!」と渇望する。
 
 自粛期間中は本格的に自炊にチャレンジ。"デビュー作"は好物のオムライスで、卵の固さが上手くいかなかったとのこと。1週間後の再挑戦ではフワフワ卵に完成。「美味しくできた!」と自慢気に話す。カレーや野菜炒めなども作り、料理の難しさが身にしみて分かったと同時に、クラブが提供してくれる食事の有難さを改めて実感したようだ。

 新型コロナウイルスの影響で延期されていたJリーグも、J2は6月27日に再開が決まった。今後は過密日程が予想されるが、岡山との開幕戦(●0-1)で先発フル出場している石尾は、全試合出場という目標は変わらずフル稼働する構えだ。将来有望な若きCBのさらなる飛躍に注目だ。

構成●サッカーダイジェスト編集部 情報提供●下村奈巳

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