現監督は八百長事件で処分を受けた“前科者” それでもコンテを招聘したイタリア代表の事情

2015年02月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

八百長行為を知りながら告発を怠った義務違反。

イタリア代表のコンテ監督は、八百長事件で過去に資格停止処分を受けている。 (C) Alberto LINGRIA

 2014年8月に就任したイタリア代表のアントニオ・コンテ監督は、八百長事件で過去に資格停止処分を受けた、いわば前科者だ。
 
 コンテが当時セリエBのシエナを率いていた2010-11シーズンのことだ。シエナとノバーラの試合で八百長が仕組まれた。後の捜査でその事実が判明し、コンテはその八百長行為を知りながら告発を怠った義務違反に問われ、FIGC(イタリア・サッカー連盟)によるスポーツ裁判の結果、当初10か月、最終的に4か月の資格停止処分を科された。
 
 ユベントスの監督になって2年目の12-13シーズンに処分は執行され、コンテは開幕から4か月間采配を振るうことができなかった。
 
 グループリーグ敗退に終わったブラジル・ワールドカップ後にチェーザレ・プランデッリ監督が辞任、その後任に指名されたのがコンテである。就任1年目からユベントスを3連覇に導き、指揮官として揺るぎない定評を確立したコンテは、イタリア代表再建の切り札として白羽の矢を立てられたのだ。
 
 FIGCが"前科者"を、それも八百長事件で処分を受けた人物を代表監督に選んだのは、その長い歴史のなかで今回が初めてだ。テクニカルディレクターとの兼任、加えて高額の年俸という厚遇も併せて大きな議論を呼んだコンテの招聘は、W杯2大会連続グループリーグ敗退の代表チームを立て直すために、背に腹はかえられなかったFIGCの必死さがそうさせた人事だったと言えるだろう。
 
 コンテ体制のイタリア代表は、ここまで2戦2勝。親善試合でオランダを破り、EURO2016予選の初戦でノルウェーを下す好スタートを切っている。
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