「ワシントンは強烈。日本人では止められないと思った」【栗原勇蔵が選ぶJ歴代最強チーム|未公開編2】

2020年06月03日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「錚々たるメンバーで、ワクワクしてくる」

ワシントンとの対決では圧倒的な実力差を痛感。「あの当時、止める術がなかった」と振り返る。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 5月28日発売のサッカーダイジェストでは、「Jリーグ歴代最強チーム」と題し、現役選手や元日本代表など総勢50名に"歴代で最強だと思うチームトップ3"を選んでもらった。

 昨季限りで"横浜一筋"の現役生活にピリオドを打ち、今季から横浜の「クラブシップ・キャプテン」を務める栗原勇蔵氏にも選者を依頼。栗原氏が選んだベスト3は、1位が「2019年の横浜F・マリノス」、2位が「2006年の浦和レッズ」、3位が「2002年のジュビロ磐田」という結果となった。

 自身のプロ5年目、レギュラーに定着したシーズンに「叩きのめされましたね」と回想する相手が、2位に選んだ06年の浦和だ。「武闘派が多くて、威圧感があった」という当時の浦和について、本誌では掲載できなかった未収録分をお届けする。

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 帰化した(田中マルクス)闘莉王さんや三都主(アレサンドロ)さんを含めれば、ある意味、助っ人が5人ぐらいいるチームですからね。その時点で反則かと思いましたけど(笑)、とにかくガタイの良い選手が多くて、パワーに秀でるチームでした。

 長谷部(誠)や(鈴木)啓太君が中心で、ワシントンにポンテ、(小野)伸二さんもいたし、岡野(雅行)さん、永井(雄一郎)さん、田中のたっちゃん(達也)と、錚々たるメンバーで、ワクワクしてきますよね。レギュラーに定着して、調子にノッている若造がいきなり対戦するチームじゃないですよ(笑)。

 MVPはワシントン。強烈なFWでした。ボンバー(中澤佑二)やマツさん(故・松田直樹)も苦戦していたし、"川崎山脈"と言われるほど手強いフロンターレの3バック相手にひとりで4点も取るし。Jリーグで止められるDFはいないんじゃないかと思いました。

 07年にレッズはクラブワールドカップでミランと対戦するんですけど、ミランにはイタリア代表でも活躍した(アレッサンドロ・)ネスタがいて、あのワシントンをどうやって止めるのか注目して見ていたんです。そこで何かヒントが掴めるのではないか、と。

 そうしたら、ネスタも普通にやられていましたからね(笑)。これはもう、日本人では止められないと改めて思いました。

 競り合いとか、本当に強い。一言で言うなら"岩"ですよ。身体の幅があるから、回り込んでボールを取ろうとすると、くるっとターンされてかわされる。ステップワークは大雑把に見えて、キックフェイントもそこまで上手い感じはしないのに、モーションが大きい分、余計に引っかかる。サイズがあるから、ヘディングでガンガン勝負してきそうだけど、むしろ足もとを警戒しないとやられる。

 うちのシン(畠中槙之輔)とか今の若手にも、ワシントンぐらいのレベルの選手と対峙してほしいと思います。絶対に得るものがあるはずですから。

取材・構成●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

【詳細情報】2020年6月11.25日合併号

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